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お知らせ(2012年度)

平成25年3月26日に平成24年度高知信用金庫・高知安心友の会の学術賞授与式及び受賞講演会を開催しました

 高知大学医学部では、高知信用金庫及び高知安心友の会から医学研究に対して助成をいただいています。この助成金を基金として、高知大学医学部(高知医科大学時代を含む)において基礎・臨床の各分野で学術研究上顕著な成果をあげた研究者に対し、学術賞を授与しています。
 受賞対象者は、高知大学医学部の准教授、講師、助教、大学院生、医員及び外国人研究者となっており、本年度はこれらの対象者から7人の応募がありました。選考の結果、次の1名に学術賞を授与することを決定し、授与式及び受賞講演会を平成25年3月26日(火)に医学部臨床講義棟にて執り行いました。

薬理学助教 谷内 恵介

膵癌特異的腫瘍抗原kinesin family member 20A (KIF20A)がRNA結合蛋白質を介して膵癌浸潤・転移を亢進させる機序の解析



平成24年度高知信用金庫・高知安心友の会学術賞受賞者を囲んで



左から横谷薬理学教授、谷内助教、高知信用金庫 難波監事、
橋本医学部長、西原消化器内科学教授


 ○薬理学の谷内助教が受賞された研究の概要は、
膵癌は、生物的悪性度がきわめて高く、5年生存率は5%以下と、最も予後不良の癌である。膵癌細胞は浸潤・転移能が高いため、膵癌発見時にすでに進行癌であることが多く、手術できたとしても術後の再発率が高いこととが原因としてあげられる。本研究では、東京大学医科学研究所中村祐輔教授らにより同定された膵癌細胞の増殖に関わっている新規腫瘍抗原kinesin family member 20A(KIF20A)が、膵癌細胞の浸潤・転移に関与しているという新たな知見を得たので、そのメカニズムを解析している。神経細胞では、RNA結合蛋白質がメッセンジャーRNA (mRNA)と結合し、RNA顆粒という顆粒構造に内包され、様々なモーター蛋白質によりシナプス先端と細胞体の間を輸送され、シナプスでリボソームや翻訳因子と複合体を形成し、タンパク質に翻訳される。このシステムにより神経細胞はシナプスを正しく伸長し、高速な情報伝達を行っている。膵癌細胞内でも神経細胞と類似したmRNA輸送システムがあり、KIF20AがRNA顆粒の細胞内輸送を行うモーター蛋白質として機能し、膵癌細胞の浸潤・転移に関わっているメカニズムについて研究しているものです。