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お知らせ(2013年度)

平成25年度高知信用金庫・高知安心友の会学術賞授与式及び受賞講演会を開催しました

 高知大学医学部では、高知信用金庫及び高知安心友の会から医学研究に対して助成をいただいています。この助成金を基金として、高知大学医学部(高知医科大学時代を含む)において基礎・臨床の各分野で学術研究上顕著な成果をあげた研究者に対し、学術賞を授与しています。
 受賞対象者は、高知大学医学部の准教授、講師、助教、大学院生、医員及び外国人研究者となっており、本年度はこれらの対象者から7人の応募がありました。選考の結果、次の2名に学術賞を授与することを決定し、授与式及び受賞講演会を平成25年11月21日(木)に医学部基礎臨床研究棟にて執り行いました。


微生物学助教 内山 淳平

バクテリオファージのヒト細菌感染症への応用研究、及び、病原細菌学におけるファージ研究

外科学
(外科1)
講師 並川 努

胃癌に対する術後障害の軽減およびQOL向上を目指した再建法の開発



平成25年度高知信用金庫・高知安心友の会学術賞受賞者を囲んで




左から執印教授、橋本医学部長、高知信用金庫 難波監事、
内山助教、並川講師、本家教授




○微生物学 内山助教 研究の概要
 ファージとは、細菌特異的に感染するウイルスの総称である。近年、薬剤耐性菌の問題により、化学療法の代替療法としてファージ療法(ファージを利用した細菌感染症治療法)が世界中で研究され始めている。受賞者は、ファージの医学応用研究・ファージの基礎研究を行ってきた。ファージ医学応用研究では、薬剤耐性菌による難治性感染症に対するファージ療法の研究開発、また、ファージを利用した迅速細菌検出技術の研究開発を行った。さらに、ファージの基礎研究では、胃がんの原因となるピロリ菌よりファージを分離し、世界で初めてその解析に成功した。加えて、MRSAのメチシリン耐性遺子が動物由来ブドウ球菌から由来していると言われているが、直接その現象を証明した例はなかった。受賞者は、ファージを介した遺伝子水平伝播メカニズムを実験的証明した。


○外科学(外科1) 並川講師 研究の概要
 胃癌手術において、術後のQOLを損ねないような胃切除術後患者の病態解明を見出すことは胃癌患者の多い日本社会に対して大きな意義がある。我々は幽門側胃切除術後Roux-en-Y再建(RY)によりBillroth I法再建(BI)に比して残胃炎、逆流性食道炎の発生を軽減できることを示し、さらにRY再建に十二指腸空腸吻合を付加するDouble tract再建は消化不良が少なく、膵胆道系疾患が生じた際に内視鏡的アプローチにより低侵襲治療が可能となることも大きなメリットである。上部早期胃癌に対しては噴門側胃切除術後空腸嚢間置再建術(Jejunal pouch interposition: JPI)を行い、胃全摘RYに比して一回食事摂取量の増加とともにQOLが向上することも示してきた。今後の研究の積み重ねによりこれら個別の病態が解明され、治療法選択や治療効果判定に応用することができれば、医療の個別化にも寄与することができるものと考えられる。