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お知らせ(2013年度)

外科学講座外科(一)の並川努講師の論文(Synchronous superficial spreading lesions of the stomach)が医学雑誌「Gut」のオンライン版(2月7日付)に掲載されました

Namikawa T et al. Synchronous superficial spreading lesions of the stomach. Gut 2014の要旨

 Helicobacter Pylori菌は胃癌および悪性リンパ腫の発生に関与しており、その除菌治療の有効性は確立しています。胃悪性リンパ腫の大多数を占めるMALT (mucosa associated lymphoid tissue)リンパ腫、びまん性大細胞B細胞性リンパ腫に対してはH. Pylori除菌治療が第一選択となり、また胃癌に対してH. Pyloriを除菌することで胃癌発生リスクを軽減することができますが、胃癌発生を防止できるものではありません。H. Pylori除菌後に発生した表層拡大型早期胃癌とMALTリンパ腫の併存例について検討を加え、その臨床的特徴を明らかにし治療方針についてのきっかけをつかむことを期待して本論文で報告しています。粘膜に限局する早期胃癌は内視鏡的胃粘膜剥離術の良い適応となりますが、胃壁の深部進展に比して表層拡大傾向の強い表層拡大型早期胃癌の発生、病態についてはまだ明らかにされていないことも多くあります。これまでに私たちは表層拡大型早期胃癌はリンパ節転移にリスクが高いものの、適切なリンパ節郭清を伴う胃切除術により良好な治療成績が得られることを示しており、悪性リンパ腫合併例においても先ずは胃癌に対する治療方針に従うことになるものと考えられます。一方で、リンパ節浸潤傾向の強い悪性リンパ腫は分子標的治療薬による後治療も考えられ、今後の症例蓄積によるさらなる病態の解明、新規治療の確立が望まれます。