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お知らせ(2013年度)

皮膚科学講座 佐野栄紀教授の研究成果が米国リウマチ学会誌のオンライン版に掲載されました

 医学部 皮膚科学講座 佐野栄紀教授の「皮膚のトール様受容体7(TLR7)刺激が全身性エリテマトーデスを引き起こす」に関する研究成果が米国リウマチ学会誌(Arthritis & Rheumatism)のオンライン版に掲載されました。
 全身性エリテマトーデス(SLE)は、自分の組織を障害する自己抗体が腎臓や心臓など全身をおかす原因不明の膠原病です。若い女性に発症しやすく、本邦で約6万人の患者がおられます。主に副腎皮質ステロイドの内服で治療しますが、しばしば難治で治療は長くかかります。今回、私たちはマウスを用いた実験で、トール様受容体7(TLR7)が皮膚において刺激され異常な免疫反応が誘導された結果、SLEが発症し腎炎や心炎によって死亡することがわかりました。TLR7はウイルスのRNAなどの核酸を認識し、この刺激が皮膚から入ることがSLE発症の引き金になります。しかし、TLR7の刺激は必ずしもウイルスによるものだけでなく、皮膚細胞が日光などによって障害されて放出される核酸によっても起こりうると考えられます。このように、皮膚は単に内臓を外界から守る働きだけをするのではなく、皮膚からの異常な免疫反応が全身性に拡がり、結果的に内蔵を侵すSLEの原因となることが分かりました。これは世界初の発見であり、皮膚のTLR7刺激を避けることによって、新しいSLE治療法の開発や発症予防のヒントにつながるものと期待されます。