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お知らせ(2014年度)

外科学講座外科「一」 並川努講師の論文が医学雑誌「Gastroenterology (IF 13.926)」のオンライン版(2月26日付)に掲載されました。

 外科学講座外科(一)の並川努講師の論文が医学雑誌「Gastroenterology (IF 13.926)」のオンライン版(2月26日付)に掲載されました。
タイトル:Esophageal tumor after radical surgery for gastric cancer.
発 表 者:Tsutomu Namikawa, Michiya Kobayashi, Kazuhiro Hanazaki
概  要: 胃癌の転移はリンパ節、腹膜、肝臓が多く、また進行胃癌に伴う食道浸潤は臨床では比較的多く経験されますが、胃癌根治切除後に吻合部から離れた食道に異時性に孤立性転移をきたすことがあることをこの論文で報告しています。他癌腫が胃へ転移することも稀ですが、転移性胃癌症例を集積解析すると乳癌、肺癌に次いで食道は多くみられることをこれまでに報告してきました。このように食道と胃との間でどのように転移が形成されるのか、その病態を考えることは治療戦略をたてるためにも重要な課題であると思われます。
 解剖学的に食道と胃の間での粘膜内の毛細リンパ管は直接連続していませんが、胃の粘膜下リンパ管は食道の粘膜下リンパ管と交通しているとされています。原発巣のリンパ管侵襲、リンパ節転移が高度である場合に転移が多いこともあわせて考えると、壁内転移をきたす機序として粘膜下層以深に浸潤した癌細胞がリンパ流に乗り離れた部位へ転移を引き起こす可能性があります。このように胃と食道は上皮下でリンパ行性あるいは血行性に交通があり、非連続性に発育増殖することで壁内転移巣が形成される可能性が考えられますが、脈管侵襲の極く軽度な原発巣から転移を生じることもあり、それだけでは説明できない症例もあります。稀ではありますが胃癌が非連続的に食道壁内転移をきたすことがあり、今後の症例集積により更なる病態解明と治療方針についての検討が期待されます。