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お知らせ(2017年度)

 平成29年度高知信用金庫・高知安心友の会学術賞授与式及び受賞講演会開催(12/12)しました

 高知大学医学部では、高知信用金庫及び高知安心友の会から医学研究に対して助成をいただいています。この助成金を基金として、高知大学医学部(高知医科大学時代を含む。)において基礎・臨床の各分野で学術研究上顕著な成果をあげた研究者に対し、学術賞を授与しています。
 受賞対象者は、高知大学医学部の准教授、講師、助教、大学院生、医員及び外国人研究者となっており、本年度はこれらの対象者から6人の応募がありました。選考の結果、次の2名に学術賞を授与することを決定し、授与式及び受賞講演会を平成29年12月12日(火)に医学部実習棟にて執り行いました。

生化学 講師 太田 信哉

プロテオミクスと遺伝学を基盤とした分裂期染色体の制御メカニズムの解析

泌尿器科学 助教 福原 秀雄

5-アミノレブリン酸を用いた末梢血循環癌細胞の新規検出法の確立

平成29年度高知信用金庫・高知安心友の会学術賞受賞者を囲んで



後列左から降幡教授、横山教授、奥谷教授
前列左から本家医学部長、太田講師、福原助教、高知信用金庫 山岡理事

○生化学の太田講師が受賞された研究の概要
 ゲノムを正確に複製、分配し、次世代細胞へと自身のゲノム情報を受け継ぐことは、生物にとって最も基本的な性質の一つであり、その異常は染色体異数性や細胞のがん化につながる。従って、その機構を解明することは重要であるが、未だに解明されていない点が多い。これまでに、質量分析によるプロテオミクスを展開することで、分裂期染色体上に約4000種類のタンパク質を同定し、そこに含まれる非特異的結合タンパク質を除いた“真の”染色体タンパク質の抽出を行なった。近年、隠されたタンパク質間の相互作用を見いだすために、機械学習を基盤としたシミュレーションを開発し、これらの成果から、実際に発見した数種類の新規分裂期染色体タンパク質について、その機能解析も行った。一方で、分裂期の制御を理解する上で重要となる、タンパク質リン酸化の包括的な理解に関して、染色体上の分裂期特異的リン酸化と脱リン酸化を決定した。これらは、今後の染色体動態の制御機構の解明に向けて大きな足がかりとなる。

○泌尿器科学の福原助教が受賞された研究の概要
 これまで光力学技術を用いた泌尿器科癌に対する新規診断法や新規治療法の開発に精力的に取り組んできた。臨床研究だけではなく、基礎研究においても精力的に取り組み、多くの成果を上げている。この光力学技術は、癌が嫌気代謝を好む「ワールブルク効果」という癌共通の生物学的特性を根幹とした原理を応用したものである。これにより腫瘍細胞特異的に蛍光物質が高集積し、特定波長の光で励起すると蛍光発光を示すという事を根幹にしている。この原理を利用して光力学診断(Photodynamic diagnosis: PDD)を臨床応用してきた。5-アミノレブリン酸(5-aminolevulinic acid; ALA)を用いたPDDについて取り組んできた結果、2017年9月に“経尿道的膀胱腫瘍切除術時における筋層非浸潤性膀胱癌の可視化”として膀胱癌に対するALAの使用について、PMDAより薬事承認を取得した。本教室では、このような光力学診断の臨床研究にとどまらず、光線力学治療の研究開発にも精力的に取り組み、光線力学治療専用の緑色光源装置の開発に携わっている。