平成20年度高知信用金庫・高知安心友の会
学術賞授与式及び受賞講演会を開催
高知大学医学部では、高知信用金庫及び高知安心友の会から医学研究に対する助成を受けています。この助成金を基金として、高知大学医学部(高知医科大学時代を含む。)において基礎及び臨床の各分野で学術研究上顕著な成果をあげた研究者に対し、学術賞を授与しています。
受賞対象者は、医学部の准教授、講師、助教、大学院生、医員及び外国人研究者となっており、本年度は9人の応募がありました。選考の結果、次の2名に学術賞を授与することが決定され、授与式及び受賞講演会を平成20年11月6日(木)に医学部臨床講義棟にて執り行いました。
| 寄生虫学 |
外国人 研究者 |
Jorge Diego Marco |
新大陸型皮膚リーシュマニア症の 分子免疫診断法の開発 |
内分泌代謝・ 腎臓内科 |
講師 |
岩崎 泰正 |
代謝ストレスに対する下垂体・ 副腎系応答の分子機序 |
寄生虫学のJorge Diego Marco外国人研究者の研究は、20年以上にわたってリーシュマニア症研究を継続してきた橋口義久名誉教授の指導のもと行われたものです。今回、同氏の研究はプロテオミクスや遺伝子組替え技術などを用いてリーシュマニア症の分子免疫診断法を開発したもので、地道に業績を積んできたことが高い評価を得たものです。
リーシュマニア症はトリパノソーマ科の原虫リーシュマニアの感染を原因とする人獣共通感染症の総称で、サシチョウバエ類によって媒介されますが、原虫の種によって症状にかなりの差があり、ヒトでは主に内臓リーシュマニア症と皮膚リーシュマニア症とに分類されます。WHOの試算によれば、88ヶ国1200万人がリーシュマニアに感染しており、リーシュマニア症は緊急に対策を要する10の感染症の1つとされています。
同氏はこの皮膚リーシュマニア症の分子免疫診断法の開発に熱心に取り組んでこられたもので、「こうした賞を受けることができたことを大変うれしく思います。」とコメントしました。
内分泌代謝・腎臓内科の岩崎講師の研究は、内容・実績共に優れており、高い評価を得たため受賞となったものです。
「ストレス」研究は岩崎講師のグループにおける研究の共通のキーワードです。生活習慣病発症の共通基盤としての「ストレス」を重視し、過栄養ストレスが中枢・末梢を介して肥満を来す機序、精神的、社会的ストレスがグルココルチコイド過剰分泌を介して代謝障害を来す機序、また食塩過剰ストレスによる高血圧やレニン・アンジオテンシン系機能亢進によるアルドステロン過剰分泌が心血管障害を招来する機序を、遺伝子・蛋白発現レベルにおける in vitro の手法、あるいはトランスジェニックマウスやノックアウトマウスを用いた in vivo の手法で精力的に検討しているものです。
岩崎講師は「評価され賞をいただけることは研究に対するモチベーションを高めることにもなり、心より感謝しています。」とコメントしました。
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