プロジェクト概要

プロジェクトリーダー
プロジェクトリーダー
津田正史

 ポストゲノム時代に入り、全遺伝子配列の解明や種々の疾患の原因遺伝子の究明など、急速に進歩してきた基礎生命科学をさらに発展させるとともに、その成果をより直接的に人間の健康につなげなければならない。生命現象や疾患の理解には、これまで試験管レベル(in vitro)や細胞レベルで得られてきた知見を、個体レベル(in vivo)で検証することが必須である。21世紀に入り欧米を中心に分子イメージング技術の開発やその応用に対して大きな国家予算が充当されている。我が国においても国家プロジェクトとして、非侵襲性診断、治療技術、機器開発といったバイオイメージング技術の高度化研究の推進がなされている。

第三期科学技術基本計画では、「バイオイメージング推進のための統合的研究」として「非侵襲性診断・治療技術・機器のトータルの感度を10倍超とするなど高度化を実現」、「腫瘍の発見と悪性度の診断をより早期に行うため、細胞の機能変化を高感度、高精度、高速に検出・診断できる分子イメージング機器を開発」を政策目標に掲げている。医療機関ではイメージング機器の導入が進み診断に用いられるようになってきた。さらに第四期科学技術基本計画では、「画像診断機器の高度化等による検査の高速化、生体機能・代謝の可視化による疾患の早期発見技術の実用化」を掲げている。このようなさらなる高度化には、先端生命科学研究の成果を、理学・工学の基礎研究とより密接に連携した開発研究が必要と考えられる。

 本事業は、本学で開発された機能性素材や治療・診断技術の実用化に向けて、分子レベルから個体レベルの幅広い対象を可視化し、統合的なin vitro・in vivoバイオイメージングの応用研究を推進するものであり、疾患の早期発見技術の実用化、低侵襲性治療技術の開発を目指すものである。更にバイオイメージングの高度利用に必要な、種々のイメージング方法に関する幅広い知識を有する医師や研究者を、領域横断的に教育することを目的とする。

 特に、PET-CT、MRI、CT等といった現時点で診断に活用されているバイオイメージングと、蛍光、NIR、DNP-MRIといった将来利用が見込まれるバイオイメージング技術について、実験動物を用いた診断事例集積、機能性物質の動態解析、再生医学研究、新規診断技術について検討する。また、バイオイメージング解析は、医療のみならず農学、水産学、生物学、化学、地質学といった広範囲の学問分野に展開可能であり、研究プロジェクトを公募し、分野融合的、分野横断的研究を推進し、単独では解決できない諸問題の解決、さらには、バイオイメージングに留まらない新たな解析法の開発を行う。