臨床研究に関するQ&A      「臨床試験・医師主導治験のQ&A」より

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「承認が目的なら治験です!」

治験では

どちらも薬品や医療機器を用いてヒトに新しい治療方法を試す試験という点では同じです。
このうち、薬事法上の承認取得のために実施する試験のことを治験と言い、これはGCPを遵守して実施しなければならず、事前に計画を医薬品医療機器総医合機構に届け出たり、治療中の副作用報告が義務付けられるほか、得られたデータの信頼性を確保するための取り組みが必要になります。

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「まずは守るべきルールの確認を!」

治験では

薬事法や臨床試験の実施に関する基準(GCP)を遵守する必要があります。

臨床試験では

治験以外の臨床試験は、厚生労働省が定めた医学研究に関する指針の中からその試験が該当する指針を見極めなければなりません。主な指針は下記のとおりです。詳細は関連指針一覧をご覧ください。

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「確認すべき文書はGCPと倫理指針だけではありません」

治験では

医薬品・医療機器等法は「法律」で国会が制定したもの。 医薬品・医療機器等法施行規則とGCPは、いずれも「省令」で厚生労働大臣が定めたもの。通知は、法令(法律と命令[省令など])の趣旨の徹底や適正な運用ための連絡事項を厚生労働省が説明したもの。

臨床試験では

「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」は、「告示」です。これは、省令同様に厚生労働大臣が定めたものですが、省令とは別に公示されるものです。

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「保険との併用が可能になります!」

臨床試験では

医薬品、医療機器等の使用を伴う先進医療であり、優れた臨床試験の費用を保険併用で行える制度として平成24年10月より実施されているものです。一定の要件を満たす医療機関で実施することが必要であり、厚生労働省へ申請し、審査を受けなければなりません。
この制度で実施される臨床試験は、治験ではなく「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」の適応となりますが、最近はICH-GCPに準拠した体制で実施することが望ましいと言われています。

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「データは手当たり次第収集するのは不適切です!」

主要評価項目は、その試験で最も明らかにしたい評価項目です。副次評価項目は、最もではないが明らかにしたい評価項目です。通常、主要評価項目は1つ、副次評価項目は複数設定します。評価項目は、よく検討して、必要最小限とすることが試験の成功の鍵になります。

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「介入研究かどうか、しっかり区別しましょう!」

介入とは、研究目的で実施する通常の診療を超えた医療行為であり、介入研究では、医師が疾病の治療や予防のために何らかの介入をします。無作為割付試験はその代表だが、無作為割付を伴わない介入研究もあります。
一方、介入を行わず、対象者自身の日常的な行動を調査する(観察する)ものを観察研究と言います。

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「第三者による試験遂行の介添人です!」

試験中に得られた審議、評価を行い、試験継続の可否について試験実施者とは独立した形で運営される委員会が効果安全性評価委員会です。この委員には、研究実施者本人はもちろん、医療機関の長やIRB委員、治験薬/機器提供者など、当該試験に関与している者は委員になることができません。

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「利益相反の管理は今や当たり前です!」

利益相反(COI : Conflict of Interest)は、例えば、医師が当該試験の治験薬提供者から研究費を受け取るなど、外部からの何らかの経済的な利益供与を受けていて、研究者・医療者としての責務と衝突している状態を言います。
重要なことはその状態が必ずしも悪いということではなく、そういう状態にあることを医療機関も、あるいは外部も知った上で、その試験結果を評価することが重要です。そのために、医療機関では利益相反に関する管理を行うことが必要になります。

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「過失の有無でちがいます」

賠償責任は、医師の過失による法的責任であり、補償は医師の過失がない場合の社会的責任です。被験者に健康被害が発生し、治験・臨床試験との因果関係が認められて医師に何らかの責任が問われた場合、まず過失の有無が判定され、賠償責任となるか補償責任となるかが判断されます。

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「被験者の保護が大切です!」

対象が誰であれ健康被害が生じた場合に必要な治療を行うということは必要なことで違いがあってはいけません。
補償として保険に加入する場合では、その補償金額の算定の考え方で、対象が患者か健康人かでは違いがあります。

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「 補償=お金 ではありません!」

補償は必ずしも金銭の支払い(補償金)に限りません。適切な手当も補償の1つです。GCPや「臨床研究に関する倫理指針」でも補償として保険への加入を必須としているわけではありません。あくまでも保険への加入は補償手段の1つです。補償について、あらかじめ明確にし、被験者に対しても説明、同意を得ることが必要です。

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「治験薬/機器提供者と相談しましょう!」

治験では

医師主導治験の治験薬/機器概要書は、医師(自ら治験を実施する者)または治験薬/機器提供者が作成します。
医師が作成する場合は、その作成に必要な情報を治験薬/機器提供者から入手するほか、自身のそれまでの研究結果を加えて作成します。治験薬/機器提供者から治験薬/機器概要書の提供を受ける場合は、その内容を確認することが必要です(GCP第15の5)。
いずれにしても、作成する治験薬/機器概要書は医師および治験薬/機器提供者の両者がその内容を共有、了解しておくことが必要です。

臨床試験では

臨床試験は、その試験薬/機器が既に国内で承認されている場合には、概要書を作成するのではなく添付文書を代用することが多いです。

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「試験を開始する前に必ず登録を!」

臨床試験結果の公表に際し、優劣により公表の有無や、同様の臨床試験が重複して実施されることは被験者保護の観点から好ましくなく、解決策として実施する臨床試験をあらかじめ登録、公表するという取組みが世界的に進められています。わが国でも、「臨床研究に関する倫理指針」において、介入研究の中で侵襲性のある試験を実施する場合には、わが国の次のデーダベースに登録しなければならないとされています。これらはいずれもWHOのPrimary Regirtryとして設定されており、これらのいずれかに臨床試験情報を登録、公開すれば論文投稿に支障はありません。

1) UMIN臨床試験登録システムリンク
2) 日本医師会治験促進センター臨床試験情報登録システムリンク
3) 日本医薬情報センター臨床試験情報システムリンク

なお、治験に関しては、登録は義務とはされていませんが、臨床試験登録・公開の意義と世界的な流れを考えれば登録は必要です。

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「企業から提供を受けられるのは治験のみ」

治験では

治験の場合、治験薬は、治験薬提供者となる企業から提供を受けます。医師が自身で製造することも制度上は可能ですが、現実的にはほとんど不可能と考えます。企業から提供を受ける場合の費用が無償となるか有償となるかは、企業との相談になります。

臨床試験では

治験以外の臨床試験の場合、企業から未承認薬の提供を受けることはできません。外国からの個人輸入を含めて、購入することになります。

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「医師法の保存期間とは異なります」

自ら治験を実施する者は、治験を実施した薬剤の
・承認日
・治験中止日
・治験終了日
のうちいずれか遅い日までの期間、関連記録を保存しなければなりません。各医療機関でそれぞれ作成する記録は各医療機関で保存すればよいですが、例えばデータマネジメント部門に提出されたCRFをどこで保存するのかもあらかじめ規定しておく必要があります。
また、承認された場合は、承認取得者(製薬企業)が承認日から5年間、または再審査期間終了まで(長い場合は10年程度)、申請の根拠となった資料を保存しなければなりません。このため、資料を移管するのか、医療機関がより長期に保存するのかについても、治験段階から治験薬提供者と協議しておくことが必要です。

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「因果関係の有無が関係します」

有害事象とは、試験参加中に起こった望ましくない全ての事象のことを意味します。この場合、試験(特に治療介入)手技との因果関係の有無は問いません。したがって、試験とは一見関係のなさそうな事象も有害事象になり、例えば、転んで怪我をしたことも有害事象になります。なぜこのようなものまで情報を集めるかというと、転んだ理由、状況がどうだったかを考えたときに、例えば薬剤の影響で頭がふらついたかもしれないからです。たまたまその人はふとしたはずみで転んだと思っているかもしれませんが、実は集計したら何十人も転んでいたとしたらそれは薬剤が、何らかの影響を及ぼしていると考えることにつながります。
一方、副作用とは、有害事象のうち、試験手技と因果関係があるものを指します。「因果関係がある」と断言するのは難しいですが、逆な見方として、「因果関係の否定できないもの」を副作用とします。もちろん因果関係を完全に否定することも難しいので、有害事象のうちほとんどが副作用として扱われることになります。どのような場合に因果関係が否定できるかというと、薬剤服薬とのタイミングのずれ、災害による怪我などです。

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「まずは被験者の安全確保を」

臨床試験の被験者に有害事象が起こったときに最も重要で優先すべきことは、その被験者の安全確保です。試験計画にかかわらず、被験者にはその時点で最良の医療が提供されるべきです。そのうえで、有害事象に関する情報を収集し、次のことを行います。

治験( GCP第48条)

@直ちに実施医療機関の長に報告
A多施設共同治験のときは他の治験責任医師に報告
B治験薬提供者に通知
C内容によっては、厚生労働大臣への報告

臨床試験

@直ちに臨床研究機関の長への通知(倫理指針 第 17 1,2 (1))
A他の臨床研究機関との共同研究の場合は、他研究機関の研究責任者への報告(倫理指針 第 17 2 (2))
B予測できない重篤な有害事象で当該研究との因果関係が否定出来ない場合は、臨床研究機関の長から厚生労働大臣への報告(倫理指針 第 2 3 (8))
また、有害事象の原因、事象について評価し、試験計画や説明文書の改訂の必要性を検討します。

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「試験の集大成です」

治験では

試験報告書は、臨床試験を実施した結果の正確な記録のために作成するものであり、試験結果の良し悪しにかかわらず作成すべきものです。治験の場合は、総括報告書を作成することがGCPで規定されています。

臨床試験では

臨床試験の場合は、特に義務付けられているわけではありませんが、そもそも事前に計画を作成して試験を実施したわけですから結果をまとめることは必要です。なお、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」の運用を受ける臨床試験の場合、厚生労働省が後に調査を行う場合もあり、原資料の保管とともに、全体の報告書を作成しておくべきです。

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