高知大学 大学院自然科学系医学専攻「情報医療学コース」  高知大学 大学院自然科学系医科学専攻「情報医科学コース」 本文へジャンプ
募集要項(博士)

<博士課程>

本学大学院総合人間自然科学研究科医学専攻(博士課程)においては、平成22年4月から,現行の2コースに加えて「情報医療学コース」を新たに設置し、募集人員は3コースで30名として大学院教育のさらなる充実を図ることを計画しております。





医学専攻(博士課程)

 

情報医療学コース

 

目的

現在多くの医療施設に導入されている医療情報システムには、日々の医療行為に伴う膨大な電子化医療データが蓄積されています。これらのデータは、直接の診療に使われるだけではなく、多数の症例の横断的な解析に基づく医学研究において、データの柔軟な組み合わせによる様々な切り口からの迅速な解析を実現し、従来にない速度で広範囲なテーマの研究推進を可能にすることが期待されています。とりわけ、長期間にわたり蓄積されたデータの活用による、生活習慣病など長い時間をかけて進行する疾患の病態推移の理解や予測への応用、大規模電子化医療データに基づく「治療評価」、「診断支援」、「稀な事象の検出」などへの応用が期待されます。 

そうしたデータ活用のためには、病態の推移を検査値等の客観的な指標に基づいて理解するための医学的知識と、それらの指標で現わされる病態推移の動的力学を定量的なモデルとして、大規模電子化医療情報に基づいて表現するための数理統計学や情報科学などの知識を身につけ、それらを有機的に駆使できる分野横断的な思考法によって、多様性と様々な不確実性を含む特殊なデータである医療データの解析に対応できる人材が必要です。

また、そうした人材には過去の電子化医療データの解析だけではなく、より高度な解析のために必要な医療情報システムの構造や機能について検討し、個々の医療機関において実現することにより、新たなデータ解析の基盤を構築してゆく能力や、電子化医療データの解析結果に基づいて、より精度の高い解析のためにコホート研究などプロスペクティブスタディの効率的なデザインを行い実施する能力などを併せ持つことも期待されます。

本学医学部で、我が国初の病院情報システムとして自主開発された総合医療情報システムIMIS(Integrated Medical Information System)には、1981年の附属病院開院以来の電子化医療データの蓄積があり、教育・研究用に個人情報を匿名化してデータベース化されています。また、そのデータは高知県の地域特性、すなわち、高齢化が全国平均より進み、成人の人口移動が少ないという特性を反映し、我が国の未来を先取りした人口集団の長期にわたる追跡が可能であるという特徴を有します。こうした利点を有するデータと、長年医療情報システムの開発に積極的にかかわってきた歴史を活かし、医学専攻の基礎医学系、臨床医学系、医療情報系の教員および応用自然科学専攻の教員の緊密な連携のもとに、電子化医療データの解析に対応できる研究能力や応用能力を身に付けた研究者や専門職業人を育成し、様々な医療機関における電子化医療データやそれらを統合したデータを活用した病態推移予測や疾患因子発見などを通じて、疾病に対する後追いの医療ではない予見性の医療の実現に貢献することや、「治療評価」、「診断支援」、「稀な事象の検出」などによる医療の質向上への貢献を目指します。
  すなわち、本コースは、「単に医学・医療における情報を扱うのではなく、情報を活用して新たな医学・医療の地平を切り拓く」ことを目指します。

上記の目的を達成するために、医学部、歯学部、修業年限6 年の獣医学を履修する過程や医学系大学院修士課程出身者の他、理系の修士課程修了者、経済学系大学院の修士課程で計量経済学、医療経済学などを専攻し数学的基礎を身に付けた学生も対象に、次のような人材を育成します。

 

○豊かな人間性と高い倫理観を持ち、医学研究における倫理規範や法規範に基づく手順を遵守したデータ解析を行い、その結果によって社会に貢献できる人材を育成します。

 

○広く豊かな学識と分野横断的な思考法を身につけ、高い研究能力によって大学や研究機関等で国際的に活躍できる人材や高度な専門職業人として医療機関、企業などで活躍できる柔軟な応用能力を有する人材を育成します。

 

○研究の成果を医療に応用するという視点を持ち、トランスレーショナルリサーチを推進できる人材を育成します。

 

アドミッションポリシー

 

情報医療学コースでは、その目的に基づき、次のような学生を求めます。

 

(1)電子化医療データの解析による新たな規則等の発見や病態推移予測のモデル構築等を通じた医学研究の推進に興味のある人。

(2)電子化医療データの解析による「治療評価」、「診断支援」、「稀な事象の検出」などを通じて医療の質の向上へ貢献することに興味のある人。

(3)電子化医療データの解析によって得られた知見を、疫学的あるいは臨床的な研究に応用してより精度の高い結果へ発展させることに興味のある人。

(4)電子化医療データの解析による病態推移予測のモデル構築やその応用を通じて予防医学に寄与し社会への貢献を目指す人。

(5)電子化医療データの解析による新たな規則性等の発見手法や「治療評価」、「診断支援」、「稀な事象の検出」の手法、病態推移予測等のモデルによる解析手法などを身につけ、臨床検査機器メーカーや製薬企業等の医療系企業での活躍を目指す人。

(6)電子化医療データの解析手法を身につけ、医療機関に蓄積された電子化医療データに応用することによって、その施設の医療の質向上などに貢献したい人

(7)集団基盤的な医学研究の新しい分野を開拓し発展させる意欲のある人

研究指導教員および主たる研究内容

B情報医療学コース

コース

研究指導教員

所属講座等

主たる研究内容

文系

理系

      情報医療学

奥原 義保

医学情報センター

数理統計的な手法や情報科学的な手法を用いた電子化医療情報の解析による医学研究への活用。

新しい医療情報システムの研究。


注)
参照

栗原 幸男

基礎看護学

(保健医療情報学)

数理統計的な手法や情報科学的な手法を用いた電子化医療情報の解析による医学研究への活用。

保健・医療・医学教育における情報技術の活用に関する研究。


注)
参照

注)経済学系大学院の修士課程で計量経済学、医療経済学などを専攻し、数学的基礎を身に付けた学生に限る。
 

履修方法

博士課程共通科目2単位、専攻内共通科目4単位、特別研究科目8単位、基礎科目10単位以上、専門科目6単位以上、合計30単位以上を履修するものとします。

なお、医学部、歯学部もしくは医学部修士課程出身者以外は、医科学専攻(修士課程)情報医科学コースの「情報医学基礎論T」の履修を必須とします(但し単位にはカウントされません)。

また、出身学部等に起因する予備知識の不足を補うために、講義や演習とは別に博士研究員やティーチングアシスタントによる目的別少人数チュートリアル(単位にはカウントされません)を設け、学生自身が必要と考える予備知識の習得や講義・演習の理解を深めるための支援を行ないます。チュートリアルの構成、規模、内容は学生の希望を速やかに集約し、柔軟に決めます。この他、必要に応じて指導教員が医科学専攻の授業履修(単位にはカウントされません)をアドバイスします。

研究指導においては、研究指導教員として本コースの指導教員の他、必ず研究テーマに対応した他コースの教員も副指導教員として学生の指導にあたるものとし、指導教員および副指導教員は定期的に各学生の指導の進捗と方針についての打ち合わせを行ないながら、個々の教員による個別指導と両者による合同指導を織り交ぜて進めます。