高知大学医学部解剖学講座 本文へジャンプ
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ご挨拶
 解剖学は生物の構造およびその構造物の形態を追究する学問です。たとえば、ヒトの体には筋肉、骨、神経や循環器、消化器、生殖器などそれぞれ働きの異なるものが存在します。臓器の働きの違いはその臓器がもっている細胞の働きの違いによっています。働きが異なれば細胞の形態にも違いが見られます。細胞の形態の違いは細胞を構成する分子の違いを示唆しています。解剖学は、マクロ(肉眼レベル)の形態を分子レベルまでさかのぼって解析しようとしています。マクロの構造も階層性のあるミクロの構造の積み重ねでできています。分子――細胞――組織――器官――系―――個体 といった一つながりの概念が実感できるように教育・研究に励んでいきたいと考えています。
 2006年4月より、第1解剖(人体解剖学)と第2解剖(組織学)が統合して新しい解剖学講座を作ることになりました。新しい解剖学講座は教授1名、准教授2名、助教4名からなる構成で、いわゆるマクロとミクロを融合させて人体実習から組織学実習まで幅広く学生に教育しています。研究面では中枢神経系とホルモンやストレスとの関係を明らかにしようとしています。大学も解剖学講座も新しい時代に向けてより良い変革をしていきたいと思っております。
                            由利和也


教室員

教  授     由利 和也     yurik@kochi-u.ac.jp

准教授     大迫 洋治       
准教授     平野 伸二     s−hirano@kochi-u.ac.jp
助  教     内田 有希     
uchida-y@kochi-u.ac.jp  
助  教     Zinchuk, Vadim S 
zinchuk@kochi-u.ac.jp 

助  教      山口 奈緒子    ynaoko@kochi-u.ac.j
事務職員    河野 美和    

技術職員    坂野 政之    sakanom@kochi-u.ac.jp

大学院生D1  朝比奈 大道  

研究

1)神経情報伝達系における性ステロイドの作用

脳の形態には男女差が存在し、それぞれの行動や思考のベースになると考えられています。この性差は脳が形成される過程において女性ホルモン(エストロゲン)が脳に作用するかどうかで決まります。また、成長した後の脳にエストロゲンが作用することで、性行動がコントロールされたりします。発生中そして完成された脳のどの部位のどのニューロンにエストロゲンが作用するのかをレセプターを検索することにより、解析しています。エストロゲンレセプターにはαとβの2種類が知られており、αは自律神経系の中枢である視床下部に、βは大脳皮質、大脳辺縁系、小脳など広範囲に分布しています。現在の研究は、エストロゲンレセプターβの役割を解明する目的で、βの分布領域の解析とその発現を変化させる要因について研究しています。

2)細胞接着分子と神経回路形成機構

カドヘリンなどの細胞接着分子は、動物の形態形成(形づくり)や神経回路の形成に関わっていると考えられています。実際にOLプロトカドヘリンのノックアウトマウスを解析すると大脳腹側部の皮質脊髄路、視床皮質路、線条体黒質路などいくつかの主要な神経回路に異常が見られました。大脳腹側部の神経回路形成には、さらにいろいろな神経ガイダンス分子が関わっていることが予想されています。現在、プロトカドヘリンなどの細胞接着分子に関する研究と大脳腹側部における神経回路形成機構についての研究を行っています。

3)ストレス応答脳内メカニズム
の解明

ストレス応答とは、ストレスが負荷された後に生体がしめす正常な反応です。しかし、何らかの原因によりストレス応答のバランスが崩れて過剰になると、種々のストレス関連疾患を誘起する一因になると考えられています。ストレス応答の調節には、様々なストレス関連ホルモンが関与しています。その中でも、とくにエストロゲンやオキシトシン、CRFなどの役割や、それらの相互作用について研究をすすめています。


教育

教育は2年次生を対象に人体解剖学、神経解剖学、細胞・組織学の講義・実習を担当しています。

本学では実習を中心とした教育に力を注ぎ、骨学実習、人体実習、脳実習、組織学実習を行っています。人体実習で使われる御遺体は、(財)爽風会会員による篤志献体によるものであり、医学知識のみならず、生命観、医学倫理観を醸成させるべく指導を行っています。


大学院生・研究生の募集

脳の研究に興味を持っている人、脳の研究をしてみたいと思っている人を募集しています。理系、文系に関係ありません。知りたいという気持ちが最も大切です。研究者になりたい人にとっても、あるいはそうでない人にとっても人生の一時期に研究に専念することは、良い経験です。現実を正しく科学的に認識し、そして次にどうするかを科学的に思考する能力を身に付けることは、君達の人生のいろいろな場面において進むべき方向を決定する大きな指針になると思います。


問い合わせ先

由利和也 
783-8505 高知県南国市岡豊町小蓮
高知大学医学部 解剖学講座
e-mail; yurik@kochi-u.ac.jp
Tel, 088-880-2297; Fax, 088-880-2300
                                     
updated: April 1th, 2012