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博士(医学)+日本産業衛生学会専門医コース

 予防医学分野の研究者には、臨床医学の素地があり、且つ、基礎医学的なテクニックを併せ持つ研究者の養成が急務です。私たち環境医学教室では、医師と基礎研究者とのスタッフを擁し、それぞれについてのハイレベルの教育が可能です。私が臨床研修を行った時代、プライマリケアの重要性を指摘していたのは衛生学や公衆衛生学の教室であり、臨床科に所属して自治医科大学卒業生以外でスーパーローテイト研修を行っていた例は、非常に稀でした。私の出身の岡山大学では衛生学や公衆衛生学に所属して、スーパーローテイト研修を受けた医師が何人もいました。このような研修を通して最低限度の臨床医学の素地を作ることが可能です。現在の地域医療・救急医療崩壊の状況は医学界全体のみならず日本の社会全体の問題です。環境医学教室では自身の研究分野についてのハイレベルな研究を進め、産業医学・環境医学において社会的な要請を果たすことは当然として、地域医療・救急医療の人材供給に少しでも貢献できるよう大学院教育を組み立てたいと考えます。

 このコースの対象となるのは、臨床研修を修了した医師であり、特に、産業医学や環境医学に関する研究を希望し、日本産業衛生学会の専門医取得を希望する者です。日本産業衛生学会専門医は、現在予防医学関連の学会の中で唯一の専門医制度です。米国では、予防医学分野の専門医制度として、宇宙航空医学、産業環境医学、一般公衆衛生の三つの専門医がABPM(American Board of Preventive Medicine)より認定されます。現在の日本産業衛生学会の専門医の数は250名程度であり、社会的な認知度も低い専門医ですが、疫学、産業医学、行動科学、労働衛生法規などの予防医学の基礎的な分野を網羅した内容の専門医試験を行っていることから、予防医学の専門性を担保するものとして活用したいと考えます。

 なお、日本産業衛生学会ウェブサイトにおいて専門医制度に関する情報提供が行われています。

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