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教育概要COMPANY

「医学部医学科教育」講義・実習

【微生物学】医学科2年生

 微生物 microorganisms には極めて多彩な単細胞生物(細菌、真菌)、細胞寄生体群(ウイルスなど)が包含される。各微生物群はおのおの特徴ある生物学的、生化学的性状を有しており、またそれを基盤とする独特な棲息様式、増殖・生活環(ライフスタイル)を呈する。そしてこれら微生物群が、それぞれに特異な生活環を形成してゆく過程で、ヒトに様々な疾患を引き起こしている。本講では各微生物群に特有の性状と、それに由来する生態について学ぶ。
 また微生物学 microbiology は、ウイルス・細菌・真菌など病原微生物の感染様式や病因的役割を追求する学問であると同時に、臨床における感染症学の基礎科学としての性質を持つ。つまり基礎医学の領域にとどまらず、臨床医学に密接に関係している学問であり、常に臨床感染症学としての「医科微生物学」をとらえる姿勢を身につけることが大切である。
 3年次での「臨床感染症学総論」への基礎となる医科微生物学を学ぶ。
「ウイルス学」
 1回   医科微生物学とは・ウイルス学総論(1)
 2回   ウイルス学総論(2)
 3回   ウイルス感染症の検査
 4回   DNAウイルス(1)
 5回   DNAウイルス(2)
 6回   DNAウイルス(3)
 7回   DNAウイルス(4)
 8回   腫瘍ウイルス
 9回   RNAウイルス(1)
10回   RNAウイルス(2)
11回   RNAウイルス(3)
12回   レトロウイルス
13回   肝炎ウイルス
14回   フラビウイルス
15回   ウイルス感染症の治療・予防・プリオン
「細菌学」
 1回   細菌の形態
 2回   細菌の分類・生理学
 3回   細菌の遺伝学
 4回   細菌の病原性,正常細菌叢
 5回   グラム陽性菌(1)
 6回   グラム陽性菌(2)
 7回   グラム陰性菌(1)
 8回   グラム陰性菌(2)
 9回   マイコプラズマ・抗酸菌
10回   真菌の性状と病原性
11回   抗菌化学療法の基礎/消毒・滅菌
12回   感染制御の実際
13回   バクテリオファージ
14回   細菌感染のトピックス
15回   総括

【臨床感染症学総論】医学科3年生

 2年次で学んだ「微生物学」を「臨床感染症学」へと発展させる。 感染症に関する基礎知識、また感染症各論および臓器別感染症を総合的に理解し、 将来の臨床医として備えるべき実践的な感染症に対する基礎知識の習得を目的とする。
 本講では感染症専門医的な視点から臓器・部位別での感染症について学生の教育にあたる。
 1回   感染症の主な病原体と症状・診断・検査
 2回   発疹を伴う小児感染症
 3回   新生児・乳児の細菌感染症
 4回   予防接種
 5回   食中毒、ウイルス性胃腸炎
 6回   腸管感染症・細菌性腸炎
 7回   呼吸器領域の感染症
 8回   皮膚科領域の感染症
 9回   女性における性感染症
10回   眼科領域の感染症
11回   脳神経系領域の感染症
12回   院内感染、ピロリ菌感染症
13回   血液媒介感染・日和見感染症
14回   節足動物媒介ウイルス感染症
15回   抗菌薬の使い方

【微生物学実習】医学科2年生

 微生物は、目に見えないものであるだけに、その取り扱いには一定の手技を要する。本実習では、微生物、とりわけ細菌とウイルスの取り扱いに必須な手技を中心に実体験することとなる。白金耳・白金線を用いる古典細菌学的手技、ならびに分子生物学的技術を自ら実施するとともに、最終的に各種細菌・ウイルスの性状確認、同定に至る過程の実際に触れる。またバイオハザードなどの概念と実際を体験し理解する。
 細菌学実習では、各種細菌の分離と同定を行なう。人為的に作製された数種の細菌を含む試料を用いて、平板寒天培養、グラム染色、生化学的性状分析により、混合されている菌種の分離同定を行う。この過程を通じ、それぞれの細菌に特有の微生物学的特徴を把握するとともに、各種培地の作製、消毒滅菌法の実際を体験する。また、結核菌の迅速診断手技の一つとしての抗酸染色法を習得する。
 ウイルス学実習では、簡便法によるDNAの抽出およびPCRといった分子生物学的手法の実際を体験し、ウイルス検出方法を学ぶ。また、ウイルス感染による細胞の形態変化の観察およびプラークアッセイ法を学ぶ。
 微生物学実習では、感染の危険性のある病原微生物を安全に取り扱う方法を習得しながら、感染対策の実際を体験するのも重要な目的である。周囲に感染させる危険性を有していることは、他の実習にない得意な点と言える。
 本講座では、日本細菌学会が推奨する細菌学実習時の「実習室感染予防マニュアル」に沿って微生物学実習を行なう。
 本講座の微生物学実習で使用する微生物は病原性の極めて低いものを選択しているが、将来の臨床医として備えるべき「病院感染対策の基本」を医学科の低学年から体験し、その習得を目的として、感染対策教育を行なう。

大学院教育「微生物学講座担当科目」

科目名【微生物感染の病態と発癌】

 世界中において、ウイルスなどの微生物感染が起因となる悪性腫瘍は、全悪性腫瘍の約20%〜25%をも占めている。これまでに、腫瘍ウイルスとして、Epstein-Barrウイルス(EBV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-I)、ヒトヘルペスウイルス8型(HHV-8 あるいは KSHV とも呼ばれる)、メルケル細胞ポリオーマウイルス(MCPyV)の7つのウイルスが知られている。また癌の発生に関与する細菌として、ヘリコバクター・ピロリ菌がある。
  微生物感染はしばしば慢性炎症を起こし、持続性慢性的炎症は発癌の重要なファクターとなる。本講ではウイルスや細菌感染から疾患の発症機構およびその病態変化について学び、議論する。また、腫瘍 ウイルスによる生体防御機構から回避し、発癌へと進むメカニズムについて最新の知見を学び、ウイルスや細菌感染による病態変化と癌についての知識を深める。
  ウイルス感染や細菌感染により感染症が引き起こす持続性慢性炎症、自己免疫性疾患による慢性炎症、逆流性食道炎のような持続性炎症でも癌の発症に関与していることが示唆されている。

科目名【ウイルス感染症学】

 近年、世界的に流行し話題となっている新興・再興感染症にみるようにウイルス感染症が多様化している。本講では、最新のウイルス病原性、ウイルスの病原性遺伝子発現研究、ウイルス学的診断、適切な治療法について理解することを目的にする。

科目名【細菌・真菌感染症学】

  近年多剤耐性病原細菌が増加し、治療学的に深刻な問題となっている。これは薬剤の不適切な使用が原因と考えられているが、その根底には病原細菌や薬剤の特性に関する理解の不十分さがあると考えられ る。本講では、最新の細菌・真菌学研究、診断、適切な治療法について理解する。

科目名【基礎微生物学実験法】

 細菌感染症に対し化学療法を適切に実施するためには、細菌の特性に関する基礎知識に加え、患者からの検体採取、病原細菌の培養、分離、同定および各種薬剤に対する感受性試験、という一連の過程についての十分な理解が必要である。また基礎ウイルス学研究は、ウイルス感染症の病態の理解、診断、予防・治療を考える上で、重要かつ基本的な情報をもたらす。病原細菌やウイルスの分離同定法に関する最新の研究法について、演習と実験を通して実践的知識・技術を獲得する。

科目名【血液病学】

 造血器腫瘍の発症メカニズムの解明は、悪性腫瘍全域における治療戦略を考える上で先駆的役割を果たしている。従来の抗癌剤治療に加え、最近ではその発症、増悪に結びつく特異的分子を標的とした治療薬が目覚しく進歩している。また、造血幹細胞移植において、従来移植の対象外であった年齢層の高い患者に対しても、骨髄非破壊的移植が可能になり、適応疾患の拡大、利便性の向上から、造血器腫瘍の治療成績に大きく貢献するようになった。
  また、造血器腫瘍は、その発癌機構として、EBウイルス、HTLV-1感染などが深く関与しており、“ウイルスと発癌”といった学問分野でも注目されている。このように、造血器腫瘍は、基礎、臨床の両面で最先端の問題を解決しつつある魅力ある学問であり、唯一内科的治療のみで寛解、治癒させ得る悪性疾患と言える。本講では、造血器腫瘍の概念を理解するとともに、その腫瘍化機構、治療学の基本的知識を習得することを目標とする。
 

高知大学医学部微生物学講座

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