薬理学は化学物質(薬物)と生体との相互作用を明らかにする学問であり、究極の目的は、安全な薬物による疾病の治療法や予防法を確立することです。薬物が作用を現わす機序を解明し、また、すでに作用機序の明らかな薬物を用いて生命現象を解析することが、薬理学の重要な課題です。薬物を利用した生命現象の解析は薬物療法開発の基盤となるので、薬理学は『分析と統合』という二面性をもつ実学なのです。
学生諸君が将来臨床の最前線に立つとき、薬物がいかに有用な武器となるかは説明するまでもありません。臨床の現場では膨大な数の薬物が使用されています。それらの作用機序は一見複雑なようでも、学問の進歩により論理的に説明することが可能となっています。そこで講義では、各領域の代表的な薬物に焦点を絞り、その作用機序を生体の構造と機能との関連で理解できるようにします。諸君には、薬物の作用機序を、解剖学、生理学、生化学、病理学などの知識に基づいて論理的に理解することを求めます。それが、将来臨床の場で出会う新しい薬物の使用にあたっても的確な判断を下す能力を築く基礎になります。
講義は3年次生の3学期からはじまり、総論、各論、特論および演習併せて60時間です。特論では平成17年度は池田正明講師(埼玉医科大学)、石川俊男部長(国立精神神経センター)をお招きしましす。演習は、臨床症例の治療経過を題材としてグループ発表形式で行います。
実習のおもな目的は次の3点です.(1)実習で用いる薬物を範例にして,薬物作用を自分の目で確かめ,生体情報伝達機構と関連付けて理解する.(2)薬物の用量と反応の関係が主作用,副作用の両面に現れることの重要性を体得する.(3)薬物適用時の生体の反応性には個体差など種々の要因によって変動がみられ,予測と異なる結果が得られることもある.この場合に何故そのような成績が得られたかを充分に解析・考察する.
実習で得られた知見はすばらしい師,”教えの宝庫”です.実習発表とレポートでは,これまでに習ったすべての基礎医学的知識を活用して結果を意欲的に解析し,講義,参考書からは得られないことを学んで欲しい.
御意見、御感想、御提案など、なんでも....