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The Times They Are A-Changin’〜時代は変わる〜

高知大学麻酔科学講座 教授 横山 正尚 写真

故郷高知に赴任後、節目の5年を乗り越え、さらなるステップアップの新しい時代を迎えようとしています。この間、多大な支援を頂いた多くの方々には深く御礼を申し上げます。

この5年間で大学の教室機能は確実に、そして大きく成長してきました。臨床においては手術件数の大幅な増加に対応できる体制を構築し、回復室の再稼働、ICUベッドの増床をはたし、救急部門の立ち上げにも大きく貢献し、収益だけでなく、安全面でも病院から大きな評価を得られるようになりました。外来部門も週3回の疼痛外来を開く事が可能になり、他部門との協力で集約的な痛み治療への道も開けてきました。術前評価を含めた周術期管理の体制も徐々ではありますが、整いつつあります。教育面では学生の臨床実習を大きく改善し、その姿勢は学生からも非常に高い評価を得ています。研修医教育の面でも最優秀指導医部門を獲得するなど、若い世代の教育は確実に実を結んできています。さらに、ともすればなおざりにされる研究部門でも確実に成果を上げています。麻酔科学会を始め、多くの学会で最優秀賞を獲得することが毎年続き、英文論文もコンスタントに発表できるようになりました。また、科研費など競争的研究資金獲得は一期に増加し、それとともに教室に所属する先端医療学コースの学生の活躍は目を見張るものがあり、その指導体制は大学内外から大きく注目されています。

その様な教室員の活躍のおかげで、2年後に大会長として高知の地で日本臨床麻酔科学会を開催する栄誉を得ることができました。参加者はおそらく3500名程となり、高知で開催された過去のいかなる医学関連学会と比較しても、最大規模の学会となります。この学会の成功に向けて皆さまのさらなる御支援をお願いする次第です。

さて、その2年後の学会時のテーマを、この寄稿のタイトルである「The Times They Are A-Changin’ 〜時代は変わる〜」に致しました。私より少し古い年代で音楽、あるいは政治に関心のあった方なら、すぐにピンと来るボブ・ディランの名盤のタイトルです。この曲が出た1960年代とは時代は大きく違いますが、それでも今の時代は大きく変わろうとしている、変わらなければならない宿命を背負っています。舵取りを間違えば、人類はあと戻りのできない暗黒の時代に迷い込みます。宗教戦争、再びの冷戦構造、広がり続ける貧富の格差、エネルギー問題、生命倫理の崩壊、そして国内での様々な問題、とりわけコントロールできない原発事故、経済の衰退、アジア地区の不安定情勢、そして、そして今そこにある超高齢化社会を迎える事に対する覚悟と準備の不足・・。

還暦を迎えた今年、そんな思いの中で、「The Times They Are A-Changin’ 〜時代は変わる〜」をテーマとして決めました。耳は遠くなる、目はかすむ、足腰は痛む、記憶力は衰える一方です。古い人間は去るべきです。60年代に若かったボブ・ディランも今では年寄りの仲間です。若い教室員も必ず年を取り、時代は変わるのです。その中で、何をなし得るか、何をなすべきか、そこに全てがかかります。そして、今まさに医学が、社会が、そして人類が迎えた「変革期」との認識があります。幸いなことに、周囲には迷惑かもしれませんが、肉体的な老いを精神的な若さがまだまだ勝っています。リーダー不在と言われる時代、もうしばらく大口をたたきながら、若い人達とともに、この時代を変えていきたいと思っています。

来春には新病棟への移転があり、ICUも12床となります。若い世代がますます活躍する時代となります。女性の時代とも言われています。うれしい事に若い教室員に次々とおめでたが続き、その女性達が順次に仕事に復帰できる体制を高知では構築できそうです。ここにも新しい時代を感じます。新しい時代を迎えるには、新しい力が必要です。今後も教室員一丸となって、この時代に新風を吹き込んで欲しいと老兵は願っています。

2014年9月6日 麻酔科学・集中治療医学講座 教授
横山正尚

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