高知大学医学部 内分泌代謝・腎臓内科 第二内科

 

*研究紹介 内分泌グループ

内分泌グループは、橋本浩三前教授(現名誉教授)の確立された視床下部・下垂体・副腎領域における世界的な診療・研究水準を維持しつつ、糖尿病・肥満、メタボリックシンドロームなど、社会的な要求に応えた生活習慣病関連の領域も含め、活発に研究を行っております。

 「ストレス」研究は当グループにおける研究の共通のキーワードです。肥満・摂食関連では、生活習慣病発症の共通基盤としての「ストレス」を重視し、精神的、社会的、あるいは過栄養などの「ストレス」が中枢・末梢組織を介して肥満を発症させる機序を、分子ないし遺伝子レベルで検討しています。内分泌関連では、ストレスによる下垂体・副腎系機能亢進に起因するグルココルチコイド分泌異常、あるいは食塩過剰ストレスによるレニン・アンジオテンシン系の機能亢進に起因するアルドステロン分泌過剰が、各種遺伝子・蛋白の発現に及ぼす影響をCRHトランスジェニックマウスやノックアウトマウスを用いた in vivo 研究、あるいは培養細胞を用いた in vitro 研究で精力的に施行しています。また腫瘍関連では、内分泌腫瘍組織における遺伝子発現を解析し、その結果から癌組織の分子標的療法などトランスレーショナルリサーチに向けた研究を展開中です。以上の研究の成果は Endocrinology, American Journal of Physiology, Journal of Endocrinology, Molecular and Cellular Endocrinologyなどの国際一流雑誌に発表し、大学院生は医学博士の博士号を取得しています。

*最近の研究紹介

脳内ペプチドホルモンによる摂食調節

肥満は今や社会問題であり、過食は「過栄養ストレス」としてメタボリックシンドローム増加の背景となっている。私どもは中枢における摂食調節機構を分子レベルで解析してきた。実際、主要な研究対象である脳内ペプチドCRHは、ストレス応答に中心的な役割を果たすと同時に、強力な食欲抑制物質として作用することが知られている。最近私どもは、飽食時(図A)と比較して飢餓ストレス時(B)にCRH発現が低下し、摂食に促進的に作用すること、またこの調節が副腎摘除+グルココルチコイド少量補充で消失することを見出した(C, D)。すなわち飢餓時にはCRHが血中グルココルチコイドの増加を介して摂食調節に関与することを明らかにした(西山ら、Brain Research, 2008)。


飢餓ストレスの下垂体を介した調節機構

飢餓時には細胞内のAMPKが活性化し、糖の取り込みや脂肪酸の酸化を促進する。私どもは下垂体ACTH産生細胞において、細胞内エネルギー枯渇(AICAR投与)時に生じるAMPK活性化(リン酸化、図)が、ACTHをコードするPOMC遺伝子の転写を促進することを明らかにした。この結果は、AMPKが細胞内のみならず個体レベルでも、下垂体・副腎系を介して飢餓ストレス時の血糖維持に関与している可能性を示唆している(詳細は、岩崎ら、Am J Physiol, Endocrinol Metab 2007; 292: E1899-1905を参照)


メタボリックシンドロームと細胞内クッシング

 グルココルチコイドはストレス防御的に作用する一方、その過剰は高血糖や脂質異常を招来する。私どもは、メタボリックシンドロームの各種リスクファクター(アディポサイトカイン、高インスリン、高FFA血症など)が相加・相乗的に、肝におけるグルココルチコイド活性化酵素(11bHSD1)発現を増加させ、細胞内グルココルチコイド濃度の増加を介してインスリン抵抗性や高脂血症を惹起する可能性を明らかにした(詳細は岩崎ら、Mol Cell Endocrinol 2008; 285: 10-18を参照)。


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