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教室紹介

 このたび,平成25年9月1日付で,当教室の教授・診療科長を拝命しました。よろしくお願いいたします。

 私は,昭和57年に山形大学を卒業後,同大精神神経医学教室に入局すると同時に大学院にも進学しました。附属病院で精神医療に従事すると同時に,薬理学教室でうつ病の病態解明を目的とした精神薬理学研究をおこないました。大学院卒業後は平成4年から約2年間米国Yale大学分子精神医学部門に留学し,脳由来神経栄養因子(BDNF)と抗うつ薬やストレスの研究に従事しました。帰国後は滋賀医科大学を経て,平成12年から郷里の広島大学に転勤し,うつ病のバイオマーカー開発を目指しBDNF遺伝子のメチル化やPTSDの新規治療法の開発など,エピジェネティックな分野の研究に取り組んできました。

 皆様ご存じのように,気分障害患者数が我が国では1996年には433千人であったものが2008年には1,041千人と倍増しています。同時に我が国では年間の自殺者数が平成10年から23年まで毎年3万人超という問題があり,この原因にもうつ病の関与が指摘されています。高知県の実情は極めて深刻で,高知大学医学部のある中央東福祉保健所管内の自殺者数は全国平均のほぼ倍になります。このようなうつ病・自殺対策には,地域の保健師やかかりつけ医との連携が重要であり,患者予備軍を孤立させないネットワーク作りに努力したいと考えています。

 うつ病をはじめ精神疾患の診断は,特異的バイオマーカーが未発見のため,現在も臨床症状の観察からなされております。このため薬物治療アルゴリズムも未開発で,新規治療薬の開発の遅れにもつながっております。このような心の病をめぐる諸問題を科学的な視点から少しでも解決していくために,教室員をはじめ同門の先生方と一致団結して,脳科学・分子生物学・心理学などの包括的な視点からの疾患研究が必要と考えています。

 精神疾患の解明を目指して教室が実りある組織として躍動できるよう,地域の皆様のご指導ご鞭撻をよろしくお願いいたします。