Department of Otolaryngology,Head&Neck Surgery,Kochi Medical School
耳鼻咽喉科は聴覚、平衡覚、嗅覚、味覚などの感覚機能や、コミュニケーションに必要な声や言葉、生きる楽しみの一つでもある摂食・嚥下(食べること)などを診療対象とします。すなわち、人が豊かに生きていく上で必要なさまざまな分野の診療を行っています。
年間約400名の入院患者があり、ほぼ同数の手術を行っています。また手術のみでなく、睡眠時無呼吸症候群に対する睡眠時呼吸検査、頭頸部癌に対する抗癌剤動注療法も行っています。病棟では研修医に指導医がつき、治療に豊富な経験を持つ看護師と共に診療にあたっています。
耳鼻咽喉科疾患では患者の状態を的確に判断し、診断治療を行うことが重要です。このため、一人一人の患者さんを丁寧に診療する体制をとっています。また疾患を総合的に治療するため他の診療科とも協力して診療を進めています。
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胃睡眠中の無呼吸の有無を検査し、睡眠呼吸障害の診断をおこないます。
慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎のほか、様々な原因による難聴の治療を行っています。
鼓室形成術:
慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎などに行います。髪を剃ることなく手術を行い、糸を抜くこともありません。入院期間は通常、1週間以内です。
人工内耳埋め込み術:
成人では中途失聴による高度の感音難聴や聾、幼小児では高度の先天性または後天性感音難聴の患者様に対して行っています。術後聴力や幼小児での言語獲得なども極めて良い成績を得ています。
めまいは、耳が原因で起こる場合と、耳以外が原因(脳腫瘍・脳血管障害・高血圧・心の病気など)でおこる場合があります。当科では、内耳が原因の病気として有名なメニエール病のほか、良性発作性頭位眩暈症、前庭神経炎、外リンパ瘻などの診断と治療を行っています。検査ではCCDカメラによる眼振(眼球の異常運動)の観察に加え、様々な内耳平衡機能検査(温度眼振検査、回転検査、書字検査、立ち直り検査など)を行ったうえで、めまいの原因と程度に応じた治療法を選択しています。
顔面神経は脳から内耳・中耳を経て、顔の筋肉に達する神経で、この経路の途中で何らかの原因で神経が障害をうけると、顔の動きが悪くなります。これが顔面神経麻痺です。逆に神経が刺激をうけると顔面のけいれんが起こります。耳、耳下腺など耳鼻咽喉科で扱う分野での疾患に関係することが多く、当科では、顔面神経専門外来にて原因精査や加療を行っています。また、顔面神経麻痺後の後遺症や顔面けいれんに対してボツリヌス毒素注入による治療も行っています。
慢性副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)やアレルギー性鼻炎は代表的な鼻の病気ですが、いずれも鼻づまりや鼻汁、嗅覚低下などのため日常生活に大きな支障をきたします。当科ではこれらの疾患に対して薬物治療や手術治療を積極的に行っています。特に、手術治療では内視鏡を用いた低侵襲手術を早くから導入しています。これは、内視鏡で鼻の中を観察しながら病変部を切除・処置する方法で、手術後の痛みの軽減や入院期間の短縮などのメリットがあります。
皆さんは扁桃の病気は熱を出すだけだと思われていませんか?扁桃はそれ以外にも腎炎(タンパクなどが尿に混じります)や治りにくい蕁麻疹など、多くの病気の原因になります。これらに対して内科や皮膚科の先生方と連携して治療を行っています。また、家族の中にいびきがひどい方や睡眠中に呼吸が止まるような症状の方はいらっしゃいませんか?これらは睡眠時呼吸障害と呼ばれますが、放置すると様々な合併症を引き起こすことがあります。当科ではその診断、治療にも経験豊富な医師が積極的に取り組んでいます。
声がでにくい、かすれる、などの声の症状は日常でもよく見られます。声の使い過ぎや無理な発声が原因で起こる声帯ポリープや声帯結節、発声時に声帯がきちんと閉まらない反回神経麻痺や声帯溝症、発声時に声が震える痙攣性発声障害など、様々な病気があります。このような声の障害に対する治療法として手術治療を積極的に行っているほか、薬での治療や音声治療(声のリハビリテーション)も声の障害の原因や程度に応じて選択しています。このうち音声治療は、実際に声帯を患者様と共に観察し、基本的な声の出し方を改善していく方法で、優れた治療成績をあげています。
嚥下は食物を口から食べる機能で、単に栄養摂取の手段のみならず、人が人らしく生きる上で極めて重要です。この「嚥下」は脳血管障害や様々な神経・筋肉の病気により障害をうけ、その結果、食物を口から食べることができなくなることがしばしばあります。当科ではこのような患者様に対し、リハビリテーションや手術により口から食べることの回復を目指した治療を行っています。また、障害が高度で肺炎を繰り返すような患者様には誤嚥を防止する手術も行っており、この分野では全国的にも有数の経験と実績を有しています。
耳鼻咽喉科では眼と脳を除く首より上の全ての領域を診療対象としますが、この領域の腫瘍を頭頸部腫瘍といいます。悪性の頭頸部腫瘍は頭頸部癌と呼ばれ、耳や鼻の癌、口腔の癌(舌癌など)、のどの癌(咽頭癌、喉頭癌)、頸部の癌(甲状腺癌、唾液腺癌)などが含まれます。これらの癌は発生部位により呼吸や食事、発声などに障害を生じ、日常・社会生活にも大きな支障をもたらします。当科では放射線科や外科、形成外科などの協力のもと、手術や化学放射線治療を駆使して良好な治療成績と機能温存を図っています。
先天性・後天性の高度難聴者で補聴器の効果が無い人に行います。人工内耳は、蝸牛(カタツムリ管)の中に電極を埋め込み、蝸牛神経(音を聞くための神経)を直接電気で刺激する器械です。高知大学医学部附属病院では2000年から人工内耳植え込み術を行っており、これまでに18名が手術を受けています。
耳鼻咽喉科が扱う頭頚部領域は私達が日常生活を営む上で重要な諸臓器、感覚器が集中しているだけでなく、美容的に重要な顔面も含んでいます。ここに発生する癌は外耳・中耳癌、鼻・副鼻腔癌、上・中・下咽頭癌、頸部食道癌、口腔癌、喉頭癌、甲状腺癌、唾液腺癌と多種に渡り、進行すれば様々な機能的、整容的障害を生じます。しかし、発生部位によっては進行するまで発見の難しい部位も多く、従来の手術を主体とした治療では顔面の形態や機能温存は不可能でした。高知大学医学部附属病院耳鼻咽喉科で行っている超選択的動注化学療法はこのような進行癌例においても機能と整容性が温存できる、しかも手術治療以上の根治性も期待できる治療法です。現在は比較的侵襲性の高いSeldinger法によらない新しい技術開発にも取り組んでいます。
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