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高知大学医学部 小児思春期医学(小児科学)

〒783-8505
高知県南国市岡豊町小蓮
TEL:088-866-5811
内線:22692(医局)
FAX:088-880-2356
Mail:

教授挨拶

私は昭和46年に岡山大学医学部を卒業し、同大学小児科学教室(故 木本浩名誉教授)で学びました。木本先生からは、診断学の重要性と正しい日本語の書き方を骨の髄まで教育されました。さらに、臨床ウイルス学の大家でわが国の感染症サーベイランスの草分けである喜多村勇助教授(元高知医科大学学長)のもとで臨床ウイルス学、小児血液腫瘍学を学びました。また、大田原俊介講師(岡山大学小児神経学教室名誉教授)、岡講師(岡山大学小児神経学教室名誉教授)から小児てんかんの診断・治療を中心に、小児神経学について厳しく指導されました。

昭和53年に高知医科大学設立に伴い喜多村先生が小児科初代教授として赴任され、私は昭和54年4月に助手として赴任しました。以来、4半世紀を超えて高知の小児医療の充実と発展に尽くしてきました。赴任当時は、高知という風土と人情にとまどいを感じましたが、冬でも太陽が熱く輝きコートが不要な気候、高知県人のお節介といえるほどの親切心と二心のなさは、日本中どこを探しても見つからない「美」であります。

専門分野は感染症、臨床ウイルス学、小児血液・腫瘍学、小児・思春期心の診療です。しかし、小児科医という性格上、小児科学全般について研鑽しております。子どもの病気は成人とは異なり、肉体と精神の相互作用が強く、あらゆる疾患について心身医学的対応が求められます。それは、私だけではなく当教室員全員に当てはまるものであり、小児科学全般に加えてそれぞれの専門分野を持っております。学位は、麻疹(はしか)の免疫学的研究で、抗体とリンパ球の協働作用によるADCCという免疫反応を用いて、少量のグロブリン製剤による予防効果の機序と麻疹の免疫動態を解明しました。

私の使命の第一は優れた小児科医の育成です。

子どもとその家族の幸福を考え、地域に根ざして世界に目を向けることが出来る良医の育成です。そのための基本的考え方は以下の通りです。

  1. 医師には分析する目と統合する思考力が必要である。
  2. 医学はデジタル的であるが、医療はアナログ的である。
  3. 診断はデジタル的であるが、治療はアナログ的であらねばならない。
  4. 医師自身が幸せでなければ良い医療を実践出来ない。
  5. 論文は自分のためにも後輩のためにも書かねばならない。

医師を目指す諸君に伝えたいことがあります。

良医になるためには優れた指導者が必要なことは言うまでもありませんが、最も重要なことは自ら求め、自ら学ぶ姿勢です。分かっていないことは放置して良い問題ではなく、そのことに気づいたものが解明しなければならない重要問題です。エビデンスがないことはやってはならないことではなく、エビデンスを積み上げる作業を開始しなければならない重要問題です。エビデンスを学ぶことは重要ですが、さらに重要なことは自分たちでエビデンスを積み重ねる姿勢です。「エビデンスは自分たちが積み上げるもの」であることを忘れないでください。

小児医療では保護者と患者さんとが一体になっているので、患者心理の理解と密なコミュニケーションが他分野以上に求められます。言葉だけではなく、肌で感じるコミュニケーションが必要です。難題であると感じるかもしれませんが、石の上にも3年と言うように、懸命に3年程度努力すればそれが「天職」に感じられるようになるものです。地球の未来を支える子どもの健康と家族の幸せを守るのが小児科医です。どの分野よりもやりがいがあり、達成感を感じられるはずです。医師を目指す諸君、共に歩みましょう。

患者さんとそのご家族へは「私たちとチームを結成しましょう」というメッセージを送ります。私たちは、病気という共通の難敵に対するチームを患者さんと共に結成し、患者さんと共に戦う「愛の戦士」であります。患者さんは医療チームの中心であり、医療スタッフは患者さんのチームメートであります。私たちは一丸となってチームを形成します。

大切なお子さんが病めばお子さんだけではなく
家族全員の心が病みます。

治癒すなわち健康の回復とは単に病気が治るのではなく、「家庭の平和とお子さんの社会生活復帰」を意味すると考えております。そのためには学校などの社会との連絡・協力体制が必要です。子どもを守るのは社会全体であるとの認識で、小児科医もその一員として精進しておりますので、ご不満、ご不明の点があれば、気軽にご相談下さい。

高知大学医学部小児思春期医学講座
教授 脇口 宏

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