本文へスキップ

高知大学医学部外科学(外科2)講座のホームページです。

TEL 088-880-2375 FAX 088-880-2376

〒783-8505 高知県南国市岡豊町小蓮 研究棟4F

教授挨拶 greeting from Orihashi

2017年度 ごあいさつ 折り返し地点通過

 早いもので、赴任して6年経ちました。今年還暦を迎え、残りは5年。折り返し地点は通過しました。前半で、何とか教室の形はできたように思います。教室の皆さんの不断の努力に加え、同門会や関連の皆様方からの温かいご支援のおかげと、この場をお借りして改めて感謝いたします。

 教室では、昨年入局した宮下浩平先生、山本麻理乃先生が、1年間の専門研修の後、4月からそれぞれJA広島総合病院、国立病院機構高知病院に出向し、外科専門医を目指し外科全般の修練に入りました。最初の数年が大切であることを私自身実感してきましたが、かれらについては安心して見守っておれると思います。心臓血管外科グループは高知、広島、千葉、岡山の流儀が合流しながら、独特のスタイルができつつあります。呼吸器外科グループでは、昨年9月から宮崎涼平先生が宇部医療センターに出向し、ぎりぎりの人数でがんばっていましたが、4月から廣橋健太郎先生が帰局し、4名体制での再スタートとなりました。形成外科では、島内香江先生が『寿』出向となりましたが、新人の田中浩史郎先生が入局し、独特の雰囲気をかもし出しています。さらに、今年卒業した三木健生君が、初期臨床研修と大学院の同時スタートを切りました。当院でも初めてのケースとして、注目を集めています。
 昨年ダビンチによるロボット手術が呼吸器外科で順調な滑り出しとなり、さらに念願のハイブリッド手術室が完成し、この4月から稼働し始めます。これまでCアームの透視装置で苦労しながら治療を行っていましたが、バイプレーンの透視装置で透視ガイドがずいぶん効率的になります。また、コーンビームCT機能により、従来CT室で行っていた手術前のCTガイド下マーキングを手術室の中で直前に行えるようになり、呼吸器外科にとっても大きな助けとなるでしょう。さらに、ハイブリッド手術室は、従来カテ室で行われていたペースメーカー植え込みなど循環器内科の治療も手術室で行えるようになります。超音波装置も新たな装置が導入され、@放射線、A近赤外線、B超音波という3つのmodalityをうまく組み合せてそれぞれのメリットを活かした治療をさらに高めていきたいと思います。
 当院では近赤外線など光線を使った診断、治療が数多く行われており、このたび『光線医療センター』が発足することとなりました。当科でも各チームで数多く行っています。心臓血管外科では、冠動脈や末梢血管の血流を評価するICG造影、組織灌流を評価するICG造影、脳灌流や下肢虚血をモニターする近赤外線分光法、呼吸器外科では、病変をICGでマーキングする方法や肋間筋弁の灌流を評価するICG造影を臨床ですでに行っているほか、熱により癌組織を破壊するphotodynamic therapyの基礎研究も始まっています。形成外科では、筋皮弁の灌流を術中に評価するICG造影に加え、術後に体外からモニターする近赤外線分光法がすでに定着しています。
 さて、新専門医制度はいったん頓挫しましたが、来年度のスタートに向けて、準備が進んでいます。当教室が関与する外科専門医と形成外科専門医では、それぞれプログラムが完成しました。外科専門医については、県内21施設と『高知家外科研修病院群』を形成し、若手の育成を行っていく予定です。他のプログラムにない特長のあるシステムを構築したいと思います。
 今年度は、学会の主催が重なります。6月の日本循環器学会中国四国地方会、9月の日本外科学会中国四国地方会に加え、10月には日本超音波医学会四国地方会を開催します。教室員や同門の先生方にはずいぶん負担をかけることと思いますが、それぞれに高知ならではの工夫を凝らし、記憶に残る会になるようがんばりたいと思います。
 私は、昨年度から副医学部長を拝命し、医学部教育・初期臨床研修・キャリア形成をシームレスに支援する新たな『医療人育成支援センター』のセンター長、医療安全委員会の副部長という労力のいる仕事も加わり、着実に会議や出張が増えてなかなか臨床に緊密に関われる時間が減り、教室員や医局長の穴山君に負担をかけることと思いますが、「教室員一人ひとりがしっかりやってくれるから大丈夫」と多くを任せ、しっかりと役職を果たしていきたいと思います。

 今年度も、ご指導、ご鞭撻、ご支援をよろしくお願いいたします。

2017年4月 渡橋和政

                  


参考資料
@例会 サマリー
A高知大学公開講座



渡橋 和政  Kazumasa Orihashi

教授写真

平成23年4月1日より担当しています.
当教室は,胸部外科を中心として心臓血管外科,呼吸器外科,食道などの消化器外科,さらに形成外科と幅広い領域を受け持つ外科学教室として約30年の歴史を持つ教室です.高知医科大学としてスタートし,高知の医療に貢献すべく医師の養成,外科医教育をはじめ,研究を通じて外科学の進歩に貢献してきました.高知大学と統合後も,方向性,活動の変化なく現在に至っています.
教室の気風は,自由闊達.いくつものチームからなる教室内では,チームを越えた連帯感で診療,教育,研究に邁進しています.各チームの特徴やスタッフの顔ぶれについては,それぞれのページをご覧下さい.

責任者である私の基本理念は,『誠実,努力,そして和』です.診療・教育・研究のいずれにおいても誠実にことにあたり,最大限の努力を惜しまず,コメディカルを含めチームとしての和によって各人が持つ能力を統合し何倍もの力を出すことが大切です.この理念の上に実際に目指すのは,『常に前進すること』です.一人の患者さんを一日治療したら,それだけ何か新しいことを得る.1ヵ月経てば1ヵ月前より着実に成長し,進歩する.それは診療のみならず教育においても研究においても大切なことだと思います.

教授の役割は,オーケストラの指揮者のようなものであると考えています.教授一人の独演会のために教室員が花を添えるような形では,教室は伸びない.あくまで主体は演奏者である教室の一人一人であり,それぞれの今の能力を最大限に引き出しながら全体として調和のとれた質の高い音楽を提供していくこと,そして繰り返し演奏を重ねていく過程を通じて各人の能力をも伸ばしていく.そのようなことが指揮者に求められることだと考えています.

外科医に求められることが,この数10年で大きく様変わりしてきました.高齢の患者さんやいくつも病気や内服薬のために手術のリスクが高い患者さんが増え,それでも治療技術やそれを取りまく多くの進歩により手術死亡は激減しています.うまくいって当たり前という時代になりました.さらにインターネットなどにより情報が豊富に得られるようになった反面,患者さん側の努力に見合わない的外れな要求も経験するようになりました.そうした状況の中で今後の外科医に必要となってくることは,@標準レベル以上のスキルは当然のこととして,A安全性と確実性を追求する熱意と力,B多くの疾患は手術だけで終わらず長期経過を見据えることが必要だということをふまえ,患者さんとのコラボレーションを創り出す力,Cさらなる治療の進歩を目指すリサーチマインドだと考えています.『外科医のやりがい』はますます増してきています.

このように考えに立って,教室内で指揮をとりつつ,外科学(外科一)講座と連携し,地域への貢献,さらに全国,海外への発信を目指していきたいと願っています.


-------------------------------------------------------
【学歴】
1982年 広島大学医学部卒業
【学位】
1992年 博士(医学) 広島大学
【略歴】
1982年 広島大学医学部外科学第一教室に入局
1982〜1988年 広島大学附属病院,廣島総合病院,中国労災病院などで研修
1988年 広島大学助手
1988〜1990年 米国Albert Einstein医科大学に研究留学
1991年〜 広島大学第一外科で胸部心臓血管外科修練,研究,教育兼務
1999年 広島大学講師
2006年 広島大学助教授
2011年 高知大学教授
【所属学会】
日本外科学会,日本臨床外科医学会
日本胸部外科学会,日本心臓血管外科学会,日本血管外科学会
日本呼吸器外科学会,日本循環器病学会,日本不整脈学会
日本脈管学会,日本人工臓器学会,International Society of Artificial Organs
日本超音波医学会,日本心エコ−図学会,American Society of Echocardiography
日本心臓血管麻酔学会
【資格】
日本外科学会認定医,指導医,外科専門医
日本胸部外科学会認定医,指導医
心臓血管外科専門医
日本脈管学会専門医
国際心臓血管外科学会国際会員
日本超音波学会専門医,指導医
日本血管外科学会評議員
日本脈管学会評議員
日本人工臓器学会評議員
日本心臓血管麻酔学会評議員

-----------------------------------------------------------------------------------
【業績】
●著書
◇単著
・ 経食道心エコー法マニュアル(初版).南江堂,1993年
・ 経食道心エコー法マニュアル(第2版).南江堂,2000年
・ 経食道心エコー法マニュアル(第3版).南江堂,2005年
・ 経食道心エコー法マニュアル(第4版).南江堂,2012年
・ ER・ICUエコー活用術.へるす出版,2002年
・ DVDでみる経食道心エコー法アドバンス.南江堂,2007年
・ 心臓の病気(一般書).保健同人社,2007年
・ イラストとエコーで見る心臓と血管の病気(CD).Japan Lifeline Co.,2007年
・ 心臓手術後の生活ガイド.保健同人社,2008年
◇分担執筆
・ Transesophageal Echocardiography(Oka Y, Goldiner PL編).JB Lippincott Co,
  1992年
・ Transoesophageal Echocardiography in Anaesthesia(Poelaert J, Skarvan K編).
  BMJ Books, 2000年
・ Transesophageal Echocardiography(Omoto R, Oka Y編).Shindan-To-Chiryo
  -Sha,2000年
・ 心臓血管外科手術書(小柳仁,北村惣一郎,安井久喬編).先端医療技術研究所,
  2002年
・ Clinical Transesophageal Echocardiography: A problem-oriented approach
  (2nd edition)(Konstadt SN, Shernan SK, Oka Y編).Lippincott Williams &
  Wilkins, 2003年
・ 救急医療の最先端(島崎修次,山本保博,相川直樹編).先端医療技術研究所,
  2004年
・ Transoesophageal echocardiography in Anesthesia and intensive care
  medicine (2nd edition)(Poelaert J, Skarvan K編).BMJ Books, 2004年
・ 心臓外科Knack & Pitfalls:大動脈外科の要点と盲点(高本眞一編.).文光堂,
  2005年
・ 周術期経食道心エコー実践法(翻訳)(武田純三監修).真興交易,2005年
・ 臨床で役立つ携帯心エコー:シチュエーション別活用法.中山書店,2007年
・ 経食道心エコー:撮り方,診かたの基本とコツ(岡本浩嗣,外須美夫編)羊土社,
  2007年
・ 初心者から研修医のための経食道心エコー.真興交易,2008年
・ 周術期経食道心エコー実践法:第2版(武田純三監修).真興交易,2011年

●論文
◇経食道心エコー法による診断
・ Orihashi K, Oka Y. Intraoperative assessment of pulmonary vein flow.  
  ECHOCARDIOGRAPHY 7:261-271, 1990.
・ Orihashi K. Traumatic subarachnoid hemorrhage visualized with trans-
  esophageal echocardiography. Ultrasound in Med & Biol 32:981-984, 2006.
・ Orihashi K. Retained intracardiac air mimicking left atrial mass by trans-
  esophageal echocardiography. Ann Thorac Surg 2009;88:1363
・ Orihashi K, Sueda T, Okada K, et al. Identification by transesophageal
  echocardiography of intramural hematoma and the site of aortic rupture.
  J Thorac Cardiovasc Surg 2008;136:1089-91.
・ Orihashi K, Kurosaki T, Sueda T. Everted leaflet of a bovine pericardial aortic
  valve. Interact Cardiovasc Thorac Surg. 2010;10:1059-60.
・ Orihashi K, Sueda T, Okada K, et al. Compressed true lumen in the
  innominate artery: a pitfall of right axillary arterial perfusion in acute aortic
  dissection. J Thorac Cardiovasc Surg 2009;137:242-3.

◇治療におけるエコーガイド
・ Orihashi K, Hong YW, Chung G, et al. New applications of two-dimensional     
  transesophageal echocardiography in cardiac surgery. J Cardiothorac Vasc
  Anesth 5:33-39, 1991.
・ Orihashi K, Nakashima Y, Sueda T, et al. Usefulness of transesophageal      
  echocardiography for guiding pulmonary artery catheter placement in the
  operating room. Heart Vessels 9:315-321, 1994.
・ Orihashi K, Sueda T, Okada K, et al. Real-time three dimensional echo-guided   
  closure of atrial septal defect: an experimental model. Interactive Cardiovasc
  Thorac Surg 4:391?395, 2005.
・ Orihashi K, Imai K, Sato K, et al. Extrathoracic subclavian venipuncture under   
  ultrasound guidance. Circ J 69:1111-5, 2005.
・ Orihashi K, Takahashi S, Ozawa M, et al. Three-dimensional echo-guided
  suture of atrial septal defect with Maniceps in an experimental model.
  Hiroshima J Med Sci 2010;59:57-63.

◇心臓内遺残空気
・ Orihashi K, Matsuura Y, Hamanaka Y, et al. Retained intracardiac air in open
  heart operation examined by transesophageal echocardiography. Ann Thorac
   Surg 55:1467-71, 1993.
・ Orihashi K, Matsuura Y, Sueda T, et al. Pooled air in open heart operations
  examined by transesophageal echocardiography. Ann Thorac Surg 61:1377-
  80, 1996.

◇術中冠動脈グラフト評価
・ Orihashi K, Sueda T, Okada K, et al. Left internal thoracic artery graft
  assessed by means of intraoperative transesophageal echocardiography. Ann
   Thorac Surg 79:580-4, 2005.
・ Orihashi K, Okada K, Imai K, et al. Intraoperative assessment of coronary
  bypass graft to posterior descending artery by means of transesophageal
   echocardiography. Interact Cardiovasc Thorac Surg 2009;8:507-11.
・ Orihashi K, Imai K, Sueda T. Assessment by transesophageal echocardio-
  graphy of left subclavian artery stenosis in patients undergoing coronary
  artery bypass grafting. J Thorac Cardiovasc Surg 2011;141:e24-6.

◇大動脈手術中の脳灌流モニター
・ Orihashi K, Matsuura Y, Sueda T, et al. Flow velocity of central retinal artery
  and retrobulbar vessels during cardiovascular operations. J Thorac Cardiovasc
   Surg 114:1081-7, 1997.
・ Orihashi K, Matsuura Y, Sueda T, et al. Aortic arch branches are no longer
  blind zone for transesophageal echocardiography: a new eye for aortic
  surgeons. J Thorac Cardiovasc Surg 120: 466-72, 2000.
・ Orihashi K, Matsuura Y, Sueda T, et al. Clinical implication of orbital ultra-
  sound monitoring during selective cerebral perfusion. Ann Thorac Surg 71:
  673-7, 2001.
・ Orihashi K, Sueda T, Okada K, et al. Near-infrared spectroscopy for
  monitoring cerebral ischemia during selective cerebral perfusion. Eur J Cardio-
  thorac Surg 26:907-911, 2004.
・ Orihashi K, Sueda T, Okada K, et al. Malposition of selective cerebral
  perfusion catheter is not a rare event. Eur J Cardiothorac Surg 27:644-8,
  2005.
・ Orihashi K, Sueda T, Okada K, et al. Detection and monitoring of
  complications associated with femoral or axillary arterial cannulation for
  surgical repair of aortic dissection. J Cardiothorac Vasc Anesth 20:20-5,
  2006.

◇腸管虚血,腹部大動脈
・ Orihashi K, Matsuura Y, Sueda T, et al. Abdominal aorta and visceral arteries    
  visualized with transesophageal echocardiography during operations on the
  aorta. J Thoracic Cardiovasc Surg 115:945-7, 1998.
・ Orihashi K, Sueda T, Okada K, et al. Newly developed aortic dissection in the   
  abdominal aorta after femoral arterial perfusion. Ann Thorac Surg 79:1945-
  9, 2005.
・ Orihashi K, Sueda T, Okada K, et al. Perioperative diagnosis of mesenteric
  ischemia in acute aortic dissection by transesophageal echocardiography.
  Eur J Cardiothorac Surg 28:871-6, 2005.

◇ステントグラフト治療
・ Orihashi K, Matsuura Y, Sueda T, et al. Echocardiography-assisted surgery in    
  transaortic endovascular stent grafting: role of transesophageal
  echocardiography. J Thorac Cardiovasc Surg 120:672-8, 2000.

◇脊髄虚血傷害
・ Orihashi K, Kumagai H, Isaka M, et al. Echo-guided identification of key
  lumbar arteries for the spinal cord: preliminary study in the canine model.
  Hiroshima J Med Sci 54:29-34, 2005.

◇腫瘍
・ Orihashi K, Sueda T, Usui T, et al. Deep hypothermic circulatory arrest for
  resecting renal tumor in the inferior vena cava: beneficial or deleterious?
  Circ J 72:1175-7,2008







高知大学医学部外科2講座
ビルダークリニック

〒783-8505 高知県南国市岡豊町小蓮
TEL 088-880-2375 FAX 088-880-2376
E-mail: im32@kochi-u.ac.jp