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2017.11.13

膀胱がんに対する5-アミノレブリン酸 (5-ALA) による蛍光膀胱鏡を用いた光線力学診断 (PDD) (ALA-PDD)

 このたび、膀胱がんに対する5-アミノレブリン酸 (5-aminolevulinic acid (5-ALA)) を用いた光線力学診断 (photodynamic diagnosis (PDD)) (ALA-PDD) の有用性が実証され、保険適応になりました。

光線力学診断用剤「アラグリオ®顆粒剤分包1.5g」の製造販売承認取得のお知らせ.PDF(165KB)

 膀胱がんの手術の際に、これまでの内視鏡(カメラ)では確認することが困難であった小さながんや平坦ながんなどを、赤色に蛍光発光させることで、見落とすことなく、より適切に診断し、より確実に摘出することができます。今後、膀胱がんに対する内視鏡による手術の際に、この光線力学診断を用いることにより、手術後の膀胱がんの再発を減少させることが大いに期待されています。



光線力学診断の説明
 光線力学診断(PDD)とは、5-アミノレブリン酸 (5-ALA) という光感受性物質を体内に投与した後、蛍光内視鏡を用いて、がんなどの病変を蛍光発光させて観察する診断方法です。この光線力学診断で用いられる5-ALAは、36億年前より動物や植物に内在する天然アミノ酸であり、血色素(ヘモグロビン)や葉緑素(クロロフィル)として動植物のエネルギー産生に関わることより、生命の根源物質と呼ばれています。この5-ALAを内服すると、正常な細胞に比べてがん細胞に過剰に集まり、蛍光物質に変わるという現象が、膀胱がんだけでなく数多くのがんにおいて確認されています。さらに、このがん細胞に過剰に集まる蛍光物質は、青色の可視光を照射すると赤色に蛍光発光するために、がんの診断方法として臨床応用されるようになりました。つまり、光線力学診断は、がんに共通してみられるこの生物学的な基本的特性を利用した新しい診断技術といえます。
 現在、日本で、5-ALAを用いた光線力学診断は、膀胱がん以外、脳腫瘍(悪性神経膠腫)においても保険適応となっており、臨床で実施されています。さらに、高知大学医学部附属病院外科Ⅰでは、胃がんの腹膜播種に対しても薬事承認に向けた取り組みが実施されています。今後、他の癌に対しても広く応用されることで、がんに病悩する数多くの患者さんにとって大きな福音をもたらすことが大いに期待されます。

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