「こんなんで分かるのかな?」それほどに簡単、お手軽な印象のPET-CT検診。 そこで、実際に検査をしてみた他の人にも、このPET-CTの感想を聞いてみた。お会いしたのは、ホテル日航高知旭ロイヤル支配人・山岡さん。約1年前に検診をしたそうだ。
PET-CTで予期せぬ病気を発見! えっ!
山岡さん:「PETセンターが開設されるというので、病院長からのお勧めもあって受けに行きました。私の家系は癌家系でもなかったですし、会社の定期検診でも、それまで異常がなかったので、気軽な気持ちで受けましたよ。それから、一週間ほどして診断結果が届いたんですが、なんと、異常が見つかったんです。PET−CTの担当医からは「癌ではなさそうだが、異常な所見で精密検査が必要。」と言われました。
正直驚きましたが、でも心のどこかで“でも絶対大丈夫だ、何かの間違いだ”と思ってましたね。ただ、その頃、義父が癌宣告から三ヶ月後になくなったことが、妙に不安を抱かせましたね。
その後精密検査をして、結局、癌でないことが分かったんですが、しかしPET−CTで見つかったところに異常があることは間違いなかったんです。ですから、その後はすぐに手術をすることになりました。早期発見だったので、手術自体は2〜3時間で終わり、3日ぐらいで退院できました。
PET-CT検査を受けて本当に良かったと思います。癌の早期発見につながるのはもちろんですが、私のように癌以外の異常が発見されることも多いようですから、安心につながりますよね。私の妻も“受けて良かった”と言ってくれてますし、家計をやり繰りして2〜3年に一度は、受けたいなと思います。」
なるほど! 山岡さんが言うように、PET-CTのメリットは、癌以外の病気が発見されることもあるって事なのか… これは、かなりポイント高し!
そもそも癌とは?
さて、改めておさらいだが、そもそも癌とは? 小難しい医学的な話は抜きにすると、要は日本人の死亡原因の約3割をしめるほどの病気。「恐ろしい…」「もしなったら絶望!」などのイメージが先行しがちだが、医学の進歩が著しい昨今、複眼的な検査により早期発見で生存率は大幅によくなってきている。けっして完治も珍しいことではなくなった。
CTやMRIでは、分からなかったことが!
ただ、これまで一般的だったCTやMRIなどの検査法は、撮影した臓器の「影」から悪性腫瘍を診断していたため、どうしても見落としや、良性か悪性かの判断がつきかねる、など医師の経験に頼っていた部分が多かったそう。一方、このPET-CTは、撮影した画像上で「癌の可能性のある場所が反応」するため、見落としや判断ミスの確率が大きく減った検査方法というのが、これまでとの大きな違い。実際、その画像を見せてもらったが、検査の結果、癌と診断された人の画像は、腫瘍部分だけがオレンジ色に点滅しているので一目瞭然!
PETで撮影した画像を見ると・・・
PET-CTでどうして癌が分かるのか?
では、ココで少しだけお勉強。じゃあ、どうしてPET-CTは癌が分かるのか?
これは、正常な細胞と比べると、癌細胞がブドウ糖を8倍以上消費する、という性質を利用しているから。
さっきの体験レポートの冒頭でお伝えしたように、PETーCT検査は、まず注射から始まるわけだが、その注射の中身というのはブドウ糖によく似た成分の薬剤。
PET-CTは、その薬剤の体内分布図を検知することで、消費量の活発な部分を、その活動量に応じて、色分けして画面表示。つまり、本来そんなにブドウ糖を消費するはずのない部分が、多量に消費をしていたとすれば、それはすなわち癌の疑いが濃い!ということ。
実際、具体的なしこりや痛みを感じていない、無症状の検診者100人に2人、つまり2%の確率で癌を発見できているので、従来の検診よりも、明らかに優れた早期発見実績を上げているといえる。
とはいえPET-CTにも弱点はある!
ちなみに、血糖値があまり高い方は、残念だがこのPET-CT検診ができない。なかにはPET-CT検診に来て血糖値が高いことがわかった人もいたりするらしい。
PET-CTにも弱点はあるのだ。
その理由は、正常な状態でもブドウ糖がよく集まる部分であれば、検査の薬剤も反応してしまうので、そういう部分に悪性腫瘍が発生していたとしても、発見は難しい。じん臓や肝臓、膀胱などがそうで、例えば前立腺がんなどは、PET-CTでは早期発見が難しいということは知っておこう。
高知大学医学部附属病院PETセンターの設備は、「PET-CT」と呼ばれ、PETとCTを同時に検査できるもので、全国的にも珍しい機器を導入して、PET単独の検査に比べてがんの検出感度が格段に上がったそうだ。従来から行われてきた様々な検査と併用することで、その確率は一層高くなるという。
今までの検査も必要だし、重要だということだな。まあ、つまり何事も完璧なものはないってことか。
PET-CTが威力を発揮するのは、やはり総合的な医療の一環として活用されることにある。
費用のところでもいったが、「診断目的」であれば、保険適用となる。つまり、別の検査で異状が発見されての利用なら保険適用になるわけだ。
つまり、地域の病院と連携した総合的な「がん診療」の拠点として、最先端医療のPETセンターが活用されることにこそ「都道府県がん診療連携拠点病院」に高知大学医学部附属病院が指定された意味があるわけだ。
う〜む、この大学病院の潜入ルポはまだまだ続くのだ・・・。



