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コラム -医療情報提供-

心不全について

 心不全という言葉をよく耳にしますが、どのような病気かあまり理解されていません。現在、多くの心不全患者さんが入退院を繰り返している状況であり、皆さんにこの心不全を知っていただくことは大変重要になってきました。心不全は、病気の名前というよりは、心臓のポンプ機能が悪く全身に十分な血液を送り出すことができていない状態を指します。心筋梗塞という病気を聞いたことがあると思いますが、心筋梗塞で一命をとりとめてもその後の経過によっては心不全が問題となってきます。また、高血圧のようなありふれた病気もきちんと治療しないと最終的には心不全になってしまいます。高齢社会となってきた現在、日本には120万人以上の慢性心不全の患者さんが存在しています。
 心不全症状には大きく分けると3つのタイプがあります。①むくみ心不全、②息切れ心不全、③だるさ心不全になります。このような症状があれば、かかりつけの先生に相談したり、怖がらずに病院を受診して診察を受けてください。まずは外来診療で、その症状が心不全かどうか、心不全だとするとその程度はどのくらいか、ということが分かります。ここで行う主な検査は、採血と心電図、胸部レントゲン写真です。心不全の診断は専門医でも難しい場合がありますが、最近はBNP(ビーエヌピー)と呼ばれる血液検査を行うことで、息切れの症状がおおよそ心不全によるものかそうでないかが判定できるようになりました。このような検査で心不全が疑わしい場合は、心エコー検査のできる医院や病院で詳しく検査を受けます。また、必要に応じて入院でさらに詳しい検査をすることもあります。
 心不全であれば治療を開始します。心不全治療の目標は、症状が軽くなり生活ができること、そして健やかに長生きできることです。多くの場合は内服薬で治療を行うことになりますが、患者さんご自身でも日常生活で気をつけていただくことがあります。塩分の摂りすぎを控えること、水分の過剰摂取を控えること、過労にならないように注意し、内服薬の飲み忘れに気をつけていただくことです。心不全が悪くなると入院治療が必要なこともあります。
 心不全はもはやありふれた疾患ですが、きちんと診断されていない方も少なくありません。心不全は、進行性で死にいたる病気ですが、その心不全の病状をしっかりと評価しなるべく早期に適切な治療を行うことで、元気に長く生活をおくることができます。気になる症状などがあればお気軽に循環器内科にご相談ください。


◎ 著者プロフィール
氏名:久保 亨(クボ トオル)
所属:高知大学医学部 老年病・循環器内科学
役職:講師

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