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コラム -医療情報提供-

腰痛の原因となる病気~注意したい腰痛~

 腰痛は日本人に一般的な疾患です。国民生活基礎調査では国民が持っている症状のうち、腰痛は男性では第1位、女性では第2位を占めています。ただ腰痛と言っても、腰痛には色々な疾患が原因となっています。今回は腰痛の原因となる代表的な疾患と特徴的な症状を紹介します。
(1)非特異的腰痛
 まず腰痛を訴える患者さんの約8割が明らかな原因のない非特異的腰痛と言われています。非特異的と言われているのはレントゲン、MRI検査などで原因が特定できないことが多いからです。一般的に椎間板や背骨、背筋に無理がかかったり、加齢変化による骨の変形で無理が出たりといった痛みが考えられます。症状としては、身体を前屈や回旋など動かすときに痛みが出てくることが多いです。
(2)特異的腰痛
 ①腰部脊柱管狭窄症
 加齢変化に伴い背骨と言われる脊椎とその中の脊柱管を走っている神経の通り道狭くなるために出てくる疾患です。歩いていたり立っていたりすると徐々に腰痛が出てくることがあります。その腰痛がさらに臀部から脚の後面に痛み痺れが走るようになることがあります。
 ②成人脊柱変形、腰椎後弯症
 年齢とともに腰が前に曲がってきます。これは後弯症と言われる疾患です。そのため立っていたり歩いていたりすると腰が重怠くなったり痛くなったりといった症状が出てきます。炊事洗濯や散歩などの日常生活での立ち仕事が大変になってきた方、肘をどこかについていないと辛い方は、後弯症の可能性が高いです。
 ③骨折(骨粗鬆症性椎体骨折)
 急に寝たり起きたりするときに強い腰痛が出ることがあります。起き上がってしまうと痛みは軽減しますが、寝たり起きたりする瞬間に痛みが強く出るのが特徴です。これは骨粗鬆症性椎体骨折(圧迫骨折)が原因です。骨折と言いますが原因は少し重たいものを持ったり、尻餅をついたりと日常生活の些細なことで発生したり、中には原因がはっきりせず発生したりすることもあります。
 ④感染・腫瘍
 稀な腰痛ですが、今までの様な運動時だけではなく、安静時にも痛みが続き、特に夜間にも痛みが続く時があります。これは感染や腫瘍の可能性があります。感染は化膿性脊椎炎といって、脊椎に細菌が住み着き、骨を破壊します。脊椎炎が発生すると発熱と腰痛が起こります。また腫瘍は、腫瘍によって脊椎が破壊されることで発生します。
 ⑤内臓疾患
 内臓疾患から腰痛をきたす疾患として、腹部大動脈瘤、尿路結石、胃十二指腸潰瘍などが挙げられます。症状が急激に発生し、身体を動かさなくても痛みが続いたり、消化器症状や血圧の変動などのその他の症状を伴ったりと症状が多彩になります。

 以上のように特異的腰痛の特徴的な腰痛が出ている場合は、治療が必要なことがありますので近隣の病院や整形外科での診察をお勧めします。


◎ 著者プロフィール
氏名:喜安 克仁(キヤス カツヒト)
所属:高知大学医学部附属病院 整形外科
役職:助教

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