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コラム -医療情報提供-

赤あざのレーザー治療について

 赤あざとは医学的に血管腫と呼ばれ、乳幼児では、いちご状血管腫と単純性血管腫が代表的です。
 いちご状血管腫は新生児に最も多い良性腫瘍で、乳幼児の100人に1人にみられます。生後数日から3ヵ月頃までに現れ、数ヵ月で表面に凹凸のある鮮やかな赤い腫瘤を作ります。レーザーの効果は高いですが、生後1年頃をピークに小学生頃には約7割の人で退縮するため、無治療で経過をみるという意見と、半数は完全に消退せず色や質感の変化が残るため、隆起する前にレーザーを行うという意見があり、決まった見解はありません。
 一方で、目の周りや口、鼻などに生じると失明や気道閉塞の可能性があるため、早期に血管の増殖を抑える薬物治療を行います。

 単純性血管腫は、盛り上がりのない赤いあざとして生下時よりみられ、自然消退せず、レーザーが治療の第一選択です。
 顔の病変は成人してから隆起して色が濃くなるため特に治療が勧められますが、額や眉間など顔の正中に現れたものは1歳半頃に自然消退してしまう正中部母斑のことがあり、経過をみて治療をします。
 顔や首では効果良好ですが、四肢では有効性が乏しい他、片側に広い範囲で病変を認める場合、深部の大きな血管の拡張を伴うことがあり、成長に左右差が出ないか確認して必要に応じて血管外科的な処置が必要となることがあります。

 赤あざの治療で使われる色素レーザーは、赤色に吸収される波長を出し、血管内の赤血球に熱エネルギーを与えることで血管を間接的に治療しますが、血管の太さや深さによっては十分なエネルギーを与えられないことがあります。
 疾患や部位によって数週間から数ヵ月に1度のペースで数回施術が必要ですが、照射時はゴムではじかれるような痛みがあり、体動により安全に照射できない時期は、自分で治療を希望する年齢まで待って治療を行います。火傷を防ぐため冷却ガスが噴出されますが、照射後数日は病変部をこすらず、軟膏を塗ってガーゼで覆います。
 また、日焼けは治療効果を下げてしまうだけでなく、火傷になる、肌の色が抜けるなどの副反応が出やすくなるため、レーザー治療前から終了まで遮光を続けることが重要です。

 治療費は、保険診療となる場合は乳幼児・小児は医療費助成制度が受けられますが、治療する疾患と使用するレーザーの機種によっては保険診療とならない場合があるので、治療して下さる先生によくご相談下さい。


◎ 著者プロフィール
氏名:寺石 美香(テライシ ミカ)
所属:高知大学医学部 皮膚科
役職:医員

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