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コラム -医療情報提供-

足白癬と汗疱状湿疹

 今回は足白癬と汗疱状湿疹について解説したいと思います。

 足白癬は一般には「水虫」と呼ばれている感染症です。皮膚の角質に白癬菌というカビの一種が侵入しておこります。
 汗疱状湿疹は手のひらや足の裏に、1ミリほどの小さな水疱(水ぶくれ)が出来て痒みを伴います。水疱は、やがて乾いて丸く皮がむけます。小さな水疱が連なって比較的大きな水疱になることもあります。また、汗疱状湿疹は異汗性湿疹とも呼ばれています。

 湿疹反応は外界から侵入してきた物質に対し、その周囲に水を大量に流して排除しようとする一種の防御反応と考えられています。湿疹の反応が手のひらや足の裏で起きると角質が非常に厚いので、皮膚にたまった水が外に出られず、すぐに貯まってしまい、肉眼で観察できるような大きな水疱になります。これが汗疱状湿疹の本体です。
 汗疱状湿疹は、手のひらや足の裏の汗が多いひとや、汗を掻く季節に多く発生する傾向がありますが、かならずしも汗と関連している訳ではなく、冬場でもみられます。

 白癬は白癬菌とよばれるカビの一種が皮膚の角質に侵入しておこります。気温、湿度が高い時期に増えます。足に生じた白癬を足白癬と呼びます。
 足白癬には指の間の皮がめくれる指間型、足の裏の角質が厚くなる角化型、そして小さな水疱ができる水疱型の3型があり、小水疱型の足白癬の場合、汗疱状湿疹とよく似た症状になります。足白癬は、顕微鏡検査で水疱部分の角質やめくれた角質に菌糸が存在することを確認して診断されます。

 次に治療についてですが、湿疹には、一般に、ステロイド外用剤が使用されます。手のひらや足の裏は角質が厚く外用剤の浸透が悪いので、強めのステロイド外用剤を使います。
 足白癬の治療にはカビの発育を抑える抗真菌剤の外用剤を使用します。
 足白癬と汗疱状湿疹は症状が似ているのに治療は全く異なります。湿疹の病変に抗真菌剤を使用すると、刺激されて湿疹が悪化することがあります。市販の抗真菌剤を使用して悪化したという汗疱状湿疹の患者さんが少なくありません。
 一方、白癬にはステロイド外用剤は効果がないばかりか、病変を拡大させてしまいます。顕微鏡検査による正しい診断のもと、治療することが大切です。


◎ 著者プロフィール
氏名:山本 真有子(ヤマモト マユコ)
所属:高知大学医学部附属病院 皮膚科
役職:助教

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