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コラム -医療情報提供-

C型肝炎の新しい治療について

 C型肝炎は放置すると肝臓がんを併発する怖い感染症です。しかし、ウイルスに感染してから肝硬変や肝臓がんになるまでに数十年という長い年月を経ることと、その間自覚症状がないことから、治療を受けるきっかけをつかみにくく、高知県では20年以上にわたって毎年100人以上の方がこの感染症で命を落としています。

 従来の治療は、インターフェロン注射とリバビリン服用で行われていましたが、効きにくい1型高ウイルスの患者さんの治癒率は約60%で、治らなかった方が病気を持ったまま高齢化しているのが現状です。
 またこの治療は副作用が強く、発熱、倦怠感、脱毛、あるいはうつ症状などに苦しんだ方も数多くおられたと思います。

 新しい1型のC型肝炎の治療薬はウイルスが増殖するために必要なタンパク質に直接効くため、人への副作用は少なく、また飲み薬なので注射の苦痛もありません。治癒率は90%以上で、治療期間も3ヶ月または6ヶ月へと従来よりも短縮されます。
 ただし、耐性ウイルスの問題など、服用にあたっては注意点がいくつかありますので、専門医への相談が必要です。

 2型ウイルスに対する飲み薬も保険適応になっています。2型はインターフェロンで80%は既に治癒していますが、残りは有効な治療法がないままに現在に至っており、そのような方を含めて95%以上に効果があります。

 また、現在までインターフェロン治療を受けたくても受けられなかった患者さん、例えば関節リウマチなどの自己免疫疾患やうつ病などの精神疾患を患っている方にもこの治療は福音となるはずです。さらに肝硬変は不治の病と言われていましたが、ウイルスがいなくなれば肝硬変も良くなっていくことも分かっています。

 保険適応ながら治療費は高額になるので、医療費助成を申請すれば月に1万円から2万円の自己負担で済みます。

 難治性と言われたC型肝炎が飲み薬だけでほぼ全員治る時代になりました。ただ治った後も、短くても5年は肝がん発生の危険が残りますので、気長に通院して年数回のチェックを受けることが重要です。
 また、まだ感染に気づいていない方が少なからずいるはずですので、正しい情報を広く共有することが大切だと思います。


◎ 著者プロフィール
氏名:岩﨑 信二(イワサキ シンジ)
所属:高知大学医学部 消化器内科学
役職:准教授

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