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コラム -医療情報提供-

COPD(慢性閉塞性肺疾患)について知ろう ~認知度向上の意義~

 「COPD」は「慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)」の略称です。日本語でも分かりにくいので、COPDと呼ぶことにしています。

 現在、COPDが非常に注目されている理由は、1)2020年にはCOPDは全世界の死因の第3位になると予測されていること、2)日本には少ない病気と思われていたのが、実は40歳以上の8.5%、530万人と、欧米と同じくらい膨大な数の潜在的な患者さんがいるということが分かっているためです。
 現在のCOPDの認知度は低く(約30%)、昨年(平成25年)春から開始された、「健康日本21(第二次)」において、がん、循環器疾患、糖尿に加えて、COPDが主要疾患に取り上げられ、平成34年度までにCOPDという病名を知っているというひとが80%に達することを目標としています。

 なぜ認知度を向上させることが重要なのでしょうか。3つ理由があります。このような病気があることを認知していただき、「COPDは予防できる」、「早期診断によりその進行を抑制できる」、また「COPDに多い併存症の管理が早期から可能になる」という3点です。
 COPDは「タバコ病」ともいわれるように、たばこでこんな病気がおこるということを知っていただき、早期に禁煙することで発症が予防できます。

 COPDになっても、禁煙は病気の進行を遅らせる効果が期待できます。初期には咳や痰だけで、自覚症状はあまりありません。知らないうちに進行するのがこの病気の特徴です。タバコをやめれば、呼吸機能低下のスピードは非喫煙者と同じ程度になることが分かっています。禁煙だけでなく、今は大変有効な薬が出ていて、進行を抑制する効果も確認されています。

 最後に、COPDは心臓病や脳血管疾患、糖尿病、骨粗鬆症、肺癌などが合併しやすい病気です。肺癌はタバコと関連しますが、COPDがあると3~4倍おこりやすいといわれています。逆に心臓病や脳血管疾患、糖尿病など慢性疾患でかかっておられる患者さんの中にも、COPDが30%くらいの人に隠れています。COPDの治療によって、心臓疾患など合併疾患にもよい効果がありますし、治療で運動療法がより有効になるということもあります。すなわち、COPDの治療が他疾患にも利益がありますので、積極的な「隠れCOPD」の診断が重要です。


◎ 著者プロフィール
氏名:横山 彰仁(ヨコヤマ アキヒト)
所属:高知大学医学部 血液・呼吸器内科学
役職:教授

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