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コラム -医療情報提供-

歯並びと矯正治療について

 きれいな歯並びは見た目の美しさだけではなく顔の表情を明るくするものですが、自然にきれいな歯並びになることはそれほど多くありません。

 悪い歯並びの原因は、先天的なものと後天的なものの2つに分かれます。
 先天的なものは、顎の骨と歯の大きさの不調和です。顎の大きさに対して一つ一つの歯が小さいとすきっ歯になりますし、逆に、歯が大きいと乱ぐい歯になります。顎の成長・発育には食生活や遺伝が影響していると言われていますが、遺伝の影響の方が大きいとされています。
 また、生まれつき歯の数が足りないこともあり、これも歯並びに影響します。

 後天的なものには、指しゃぶり、爪を噛むなどの悪いくせ(悪習癖)があり、これらは歯並びに悪影響を及ぼします。その他、歯を抜いたところをそのままにしておくと、その隙間に隣の歯が倒れてきたり、抜いた歯と噛み合っていた歯が伸びてきたりして歯並びが悪くなります。

 歯並びが悪いまま放っておくと、

  1. 虫歯になりやすい
  2. 歯周病(歯槽膿漏)になりやすい
  3. よく噛めない
  4. ことばが不明瞭になる
  5. アゴの関節が悪くなる

などの問題がでてきます。

 歯並びをきれいにするには、歯につけた装置を通して歯や顎の骨にゆっくりと力をかけて動かし、歯並びと噛み合わせを治していきます。
 矯正治療は大人でも可能な治療ですが、成長期に合わせて行うことで、よりスムーズに進めることができます。顎の骨は6~14歳までの間成長しますので、その間に最適な治療の開始時期を見極めることが重要です。そうすることにより、上下の顎の大きさや歯と顎の大きさのバランスをある程度コントロールすることが可能となり、よりきれいな歯並びにすることができます。

 矯正治療の期間は年単位で必要です。装置は2~3年着けたままですが、装置の周囲には歯垢が溜まりやすいため、毎食後、装置の形や歯並びに適した歯ブラシを使い、装置、装置と歯の間など、磨き残しが出やすい部分を丁寧に磨くことが重要です。
 さらに、一度きれいになった歯並びも永久的とはいえません。装置を外した直後は、歯は元の位置に戻ろうとします。そのため、しばらくは保定装置を装着して、安定させる必要があります。

 以上のように、悪い歯並びは見た目だけではなく、様々な問題を起しますので、心配であれば一度歯科矯正専門医に相談して下さい。


◎ 著者プロフィール
氏名:村田 智子(ムラタ サトコ)
所属:高知大学医学部 歯科口腔外科
役職:助教

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