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コラム -医療情報提供-

過多月経

 過多月経とは、「月経の出血量が異常に多いもの」のことです。
 日中でも夜用のナプキンが必要、1時間ごとにナプキンを交換する必要がある、レバーのような塊が出るといった方は、過多月経の可能性があります。また、過多月経によって著しい貧血になることもあります。
 大規模な女性労働者の健康調査で、月経がある女性の約20%に貧血症状を認めたことから、過多月経を認める女性は決して少なくないと思われます。

 過多月経には、子宮に何らかの器質的異常がある器質性過多月経と、器質的な異常を認めない機能性過多月経があります。
 器質的過多月経の原因として最も多いのが子宮筋腫で、次いで子宮腺筋症、子宮内膜ポリープなどがあります。

 器質性過多月経の診断には、まず内診・腟鏡診・超音波検査を行い、子宮の異常の有無を確認します。子宮が腫大している場合は、子宮筋腫と子宮腺筋症を鑑別するためにMRI検査を行います。
 なお、性交経験のない女性では内診などが行いにくいため、経腹超音波検査やMRI検査などが用いられます。
 また、貧血や血液凝固異常の有無を評価するために、血液検査も行います。

 過多月経の治療は、大きく薬物療法と手術療法の2つに分けられます。以前は過多月経の治療として、子宮摘出を選ばざるを得ないことがありました。
 しかし近年では、子宮を摘出せずに過多月経を治療できる方法が複数考案されています。(文字数の関係で、各治療の名称のみ下に記載いたします。)

 【薬物療法】
① エストロゲン(卵胞ホルモン)・プロゲステロン(黄体ホルモン)配合剤
② レボノルゲストレル放出子宮内システム(IUS)
③ 黄体ホルモン製剤
④ GnRHアナログ製剤
 【手術療法】
① 子宮内膜掻爬(そうは)術
② 子宮鏡下内膜焼灼(しょうしゃく)術
③ マイクロ波子宮内膜アブレーション(MEA)

 過多月経は、月経痛と同じくらい女性のQOLを低下させる月経随伴症状の1つと言えます。近年、治療の選択肢が広がり、それぞれの背景やライフスタイルに配慮した管理が可能となったことは、過多月経に悩まされていた女性には朗報になると期待されます。


◎ 著者プロフィール
氏名:泉谷 千明(イズミヤ チアキ)
所属:高知大学医学部附属病院 周産母子センター
役職:講師

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