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コラム -医療情報提供-

こどもの花粉症

 花粉症とは、植物の花粉が原因となって引き起こされる、アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎のことです。人によっては喉の違和感や咳が出たり、皮膚の露出部が痒くなったり、体がだるくなったりします。近年では、発症の低年齢化がいわれており、2歳や3歳での発症も珍しくはなくなってきました。
 代表的なスギやヒノキ以外にも、カバノキ科に属するハンノキやシラカバ、イネ科のカモガヤ、ハルガヤ、オオアワガエリ、キク科のブタクサやヨモギなど多くの植物が原因となり、花粉が飛散する時期に症状が出現します。

 鼻では、くしゃみ、鼻水、鼻づまりが主な症状です。目では充血や痒み、違和感がみられ、まぶたが腫れることもあります。
 これらの症状によって、寝不足で昼間に眠くなったり、落ち着きがなくいらいらしたり、ものごとに集中して取り組むことができなくなり、睡眠障害や学習障害など日常生活に支障をきたします。

 花粉症かどうかを調べるには、鼻を直接診察して、粘膜を観察したり、鼻水を検査して、好酸球というアレルギーに関わる白血球が増えているかを調べたり、原因植物を調べるために皮膚テストや血液検査を行うこともあります。
 皮膚テストの代表的なものにプリックテストがあります。これは、原因が疑われる植物の検査液を皮膚にたらして、検査用の針を用いて皮膚に軽い傷をつけます。そして、15分後に皮膚の赤さや盛り上がりを評価します。
 血液検査で特異的IgE抗体を測定して原因植物を調べる方法もあります。しかし、血液検査だけでアレルギーの有無がはっきりするわけではないことや、測定されたレベルと症状の強さが一致しないことや、陽性でも症状がないこともあるので、結果の解釈には注意が必要です。

 治療の目標は、日常生活への支障をきたすことなく親も子も快適に過ごせるようになることです。
 治療薬の主なものには飲み薬や点鼻薬・点眼薬があります。飲み薬は、抗ヒスタミン薬がよく用いられます。以前は、症状は抑えるけれども副作用で眠くなることがあり、問題でした。近年では子どもにも使用できる、より副作用の少ない新しい世代の抗ヒスタミン薬が使用できるようになりました。点鼻薬や点眼薬も子どもの協力が十分に得られれば用いることができます。

 また、最近は、12歳以上になると舌下(ぜっか)免疫療法が可能になり、今後、花粉症によるさまざまな苦痛が軽減されることが期待されます。詳しくは、耳鼻咽喉科の先生にご相談ください。


◎ 著者プロフィール
氏名:石原 正行(イシハラ マサユキ)
所属:高知大学医学部 小児科
役職:助教

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