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コラム -医療情報提供-

呼吸リハビリテーション

 呼吸リハビリテーションとは、2001年に日本呼吸管理学会呼吸リハビリテーションガイドラインによって「呼吸器の病気によって生じた障害を持つ患者に対して、可能な限り機能を回復、あるいは維持させて、これにより、患者自身が自立できるように継続的に支援していくための医療である」と定義されています。

 呼吸器の障害には、息切れや咳、痰、低酸素症があげられます。
 息切れで歩けない、入浴や着替えができないなど呼吸が苦しく会話や食事など生活にも支障をきたすことがあります。また、息苦しさによって運動に制限が生じることで二次的に手足の筋力低下を引き起こしたり、食欲低下によって栄養が十分に供給されず体力の低下や体重減少につながったりもします。さらに、慢性的な呼吸器疾患を持つ患者さんは、手足の障害ではないために周囲の方にその障害を理解されにくく、精神的に孤立することもあります。そのため、患者さんの周囲の方々に呼吸器疾患の障害像の理解を促し、精神的なサポートをしていただくことも呼吸リハビリテーションの大切な取り組みの一つとなります。

 まず、息切れなどの呼吸困難感に対しては、どうして息が切れるのか、どうやったら楽になるのかを知ることで生活の幅を広げることが可能となります。息切れが起こらないようにゆっくり行動を起こすことや呼吸困難感が生じたときに息を整える方法を教育することで、時間はかかっても一定の活動量は保たれ、それ自体が筋力低下や体力の低下を未然に防ぐことにつながります。
 このように、適切な運動量や運動方法及び呼吸方法などを理解することが非常に重要です。

 包括的な呼吸リハビリテーションアプローチは、患者さんが中心となり患者さんを支えるご家族や、医師、看護師、リハビリテーションスタッフや栄養士、薬剤師などの医療スタッフがかかわることで成り立っており、患者さんの呼吸リハビリテーションに必要な情報を多角的に評価したうえで共有化し、その患者さんに必要なプログラムを立案し、必要に応じて再評価、プログラムの組み立てを行っていくことが理想的な呼吸リハビリテーションとなります。


◎ 著者プロフィール
氏名:細田 里南(ホソダ リナ)
所属:高知大学医学部 リハビリテーション部
役職:技士長

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