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コラム -医療情報提供-

骨粗しょう症ってどんな病気?

 骨粗しょう症は中高年者に多い、骨がもろくなって折れやすくなる病気です。骨はコラーゲン線維の周りにリン酸カルシウムというミネラルが集まって、硬い構造を形成しています。骨粗しょう症では、その硬い部分の体積が減ってしまうので、結果的に骨折が起こりやすくなります。
 骨は一度できてしまうと硬くて変化がないように見えますが、実際は骨芽(こつが)細胞という骨を作る細胞と、破骨(はこつ)細胞という骨を壊す細胞が、作っては壊すダイナミックな変化を繰り返しています。ちょうど貯金通帳のようなもので、お金が入るが出てもいく、結果的に預金残高はあまり変わらない、そんなイメージです。
 しかし収入が減ったり支出がふえたりすると預金が減ります。骨にも同じようなことが起こるのです。

 原因はさまざまですが、骨の老化と捉えるのが一般的です。
 骨には、その体積を維持するために多くのホルモン、例えば女性ホルモンや成長ホルモンなどが作用しています。加齢とともにこれらのホルモンが減っていくので、骨の硬さを維持することが難しくなります。
 女性では女性ホルモンが骨を守っていますが、更年期を過ぎてホルモンが低下すると、急に骨の老化が進みます。いわゆる閉経後骨粗しょう症です。
 男性でも女性ホルモンは存在し、歳とともに徐々に低下するので、女性ほど急激ではありませんが、同じことが起こります。
 それ以外に、他のホルモンの病気や、ステロイドなど、お薬の影響で起こる場合もあります。

 症状は、脆くなる骨の部位によって違いがあります。背骨では、脊椎の圧迫骨折という、骨が上下につぶれるような骨折となり、結果的に、隙間から出てくる神経を圧迫して腰痛や神経痛、しびれ感が起こります。また身長の低下で気が付く場合もあります。
 それに対して、手足の骨の場合は、実際に骨折するまで症状が出ません。これが骨粗しょう症の怖いところです。

 検査は、まず健診や人間ドックで骨の硬さを調べてもらうことが勧められます。骨密度測定と言います。治療や予防に関しては、食事(カルシウムやビタミンDの多い食品)と適度な運動が重要ですが、お薬による治療法も、最近どんどん進歩しています。
 骨粗しょう症は、骨折して初めて気がつく方が多いのです。しかし実際に骨折してから治療を始めるのでは遅いことは言うまでもありません。中高年の方、特に閉経後の女性の方は、積極的に骨の健診を受けることをお勧めします。


◎ 著者プロフィール
氏名:岩﨑 泰正(イワサキ ヤスマサ)
所属:高知大学医学部臨床医学部門
役職:教授

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