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コラム -医療情報提供-

正しい吸入薬の使い方

 吸入薬とは、お薬を口から吸い込み気管支や肺等の呼吸器に作用させるお薬です。飲み薬より少量で早く効き、副作用が少ないのが特徴です。

 吸入薬を使用して治療する病気として、喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)があります。
 この2つの病気は共に慢性の炎症疾患で、気道の過敏性亢進や発作を呈する共通点があります。日本には60歳代の8人に1人が、70歳以上の6人に1人がCOPDに罹患していると言われていますが、治療に取り組んでいるのは少数です。
 また、高知県は、人口あたりの喘息による死亡する方が全国平均よりも多いです。吸入薬による治療の際に重要となるのが、正しい手技で吸入し、継続して使用することです。

 吸入薬の器具の形態は、大きく分けて2つに分類されます。1つは、ドライパウダー吸入器(DPI:Dry Powder Inhaler)と呼ばれるパウダーを吸うものと、2つめは加圧式定量噴霧吸入器(pMDI:pressurized Metered-Does Inhaler)と呼ばれるエアゾールを吸うものです。
 器具の形態によりお薬の吸入の仕方も異なります。上手く吸入できていないと、お薬の効果を十分に得ることはできません。

 DPIの吸入の仕方は、①しっかり息を吐き出し、口角が開かないように咥えます。②胸いっぱいに広がるように強くお薬を吸入します。③10秒間息を止め、ゆっくり息を出します。DPIの特徴として、自分のタイミングでお薬を吸入出来るという長所がありますが、吸う力が低下している方には使用が難しいです。

 pMDIの吸入の仕方は、①ボンベを上下におさえるように持ち、上下に振ります。②しっかり息を吐き出し、口より約4cmはなした所でボンベを押します。③胸いっぱいに広がるようにゆっくりお薬を吸入します。④10秒間息を止め、ゆっくり息を出します。
 pMDIの特徴として、吸う力が低下した方でも使用しやすいうのが長所ですが、お薬の噴霧と吸うタイミングを合わせる必要があります。繰り返し吸入する場合は、30秒~1分程度間隔を空けます。吸入後はうがいをしてください。

 咳などの症状がなくても空気の通り道には、まだ炎症が残っている可能性があります。なので、かってに吸入薬の使用をやめると炎症のコントロールが悪くなり、以前より症状が悪化する事があります。医師・薬剤師の指示を守って正しく吸入薬を使いましょう。


◎ 著者プロフィール
氏名:船戸 裕樹(フナト ヒロキ)
所属:高知大学医学部附属病院 薬剤部
役職:薬剤師

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