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コラム -医療情報提供-

末梢血管の動脈瘤について

 近年、検診や日常診療における超音波検査やCT、MRIなどの画像検査が頻繁に行われるようになり、偶然に動脈瘤が見つかる機会が増えてきました。

 偶然に見つかった動脈瘤は、まだ破裂していないので未破裂動脈瘤と言われたり、症状がないことから無症候性動脈瘤と言われます。しかし症状がないからといって放置していいとは限りません。
 過去の報告では2%~70%と大きな幅がありますが、動脈瘤が破裂する危険性があるとされています。一般的に末梢の動脈瘤の場合には、直径2cmを越えると治療を行った方がよいと考えられています。
 ただし、より細い血管にできた動脈瘤であれば、もっと小さいサイズのものでも治療を行うべきです。今回は、放射線科が治療を行う機会が最も多い腹部の内臓動脈瘤に関して、ご説明したいと思います。

 治療方法として、まずは体に負担の少ないカテーテル治療を行う事が増えてきています。カテーテル治療としては放射線科を主体にIVR(アイブイアール)治療が施行されています。これは「画像下治療」とも言われており、画像を駆使して治療を行う方法のことです。
 IVR治療では、予め造影剤などを点滴して施行したCTなどの画像を再構成し、動脈瘤に関与している血管を詳細に調べます。動脈瘤の形態や、その血管の先にある臓器へ、他の血管からの血流があるかどうかも確認します。
 IVR治療は、基本的に局所麻酔で施行されます。目的の動脈瘤まで細いカテーテルを進めてから、動脈瘤の血流を止める動脈塞栓術を施行します。これは、動脈瘤の中やそれに関与する血管を、金属コイルと呼ばれる物で詰めてしまう方法で、合併症などがなければ数日の入院で治療が可能です。
 基本的には安全な治療ですが、治療中に動脈瘤が破裂し、カテーテル治療だけで対応が難しくなった場合は、緊急の外科手術になることがあります。また、一度塞栓した動脈瘤でも、稀にですが再度血流が再開し、増大することがあります。そのため、治療後は定期的に効果を見ていく必要があります。

 治療を検討される方は、治療医から詳細に説明をお聞き下さい。


◎ 著者プロフィール
氏名:山西 伴明(ヤマニシ トモアキ)
所属:高知大学医学部 放射線医学
役職:助教

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