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コラム -医療情報提供-

めまいの話

 「めまい」には大きく分けて回転性めまいと、浮動性めまいの二種類があります。「回転性めまい」は「自分がグルグル回る」、「周囲がグルグル回る」、「天井が回る」など、ちょうど遊園地の回転具に乗った時の感じです。

 一方、「浮動性めまい」は「身体がフラフラする」、「雲の上を歩いているような感じ」、「船に乗って揺れているような感じ」などです。 一般的に「回転性めまい」は、嘔気、嘔吐を伴うなど症状が激烈なことが多く、代表的な病気としてはメニエル病、良性発作性頭(とう)位(い)変換めまい、前庭(ぜんてい)神経炎(しんけいえん)などがあります。これらの病気を診断するためには耳鳴り、難聴などの症状を伴っているかどうかに気をつけて下さい。「回転性めまい」の場合、耳の奥にある三半規管の障害で起こることが多く、気分が悪くて横になる時でも障害が起こっている側を下にすると症状がひどくなる傾向がありますので、「どちらを下にして横になった方が楽だったか」、「耳鳴りや難聴、その他の症状がなかったか」について診察の時に教えていただけると診療の助けになります。

 メニエル病は有名な病気で、典型的なものはめまいの他に耳鳴りと難聴を伴います。 良性発作性頭位変換めまいは、三半規管の中にあるセンサーに乗っている耳石というごく小さな石のようなものの位置がずれた場合に起こりますので、重力を利用してこの異所性の耳石を卵形(らんけい)嚢(のう)内に戻す治療(浮遊耳石置換法)が、耳鼻科で行われています。 「浮動性めまい」で最も気をつけなければならないものには、脳の循環不全や脳血管障害(脳卒中)などがあります。特に急に起こった「浮動性めまい」は、脳の深部や小脳の脳血管障害を急いで鑑別する必要があります。この場合「めまい」以外に、顔や手足の麻痺やしびれ、しゃべりにくさや飲み込みにくさ、手の震えや細かい動作が急にやりにくくなる、急に転倒しやすくなるなどの症状が一緒に起こっていないかどうかに気をつけて下さい。

 最後にどのような時に専門の病院にかかるべきかを述べますと、

  1. 今まで「めまい」などになったことがないのに、初めて「めまい」を経験した時
  2. これまでに経験したことのないような「めまい」が起こった時
  3. 「めまい」がだんだんとひどくなってゆく時
  4. これまで経験していた「めまい」とその性質が変わった時
  5. 「めまい」に伴って耳鳴り、嘔気、嘔吐、気を失いそうになるなどの症状が出現した時
  6. 「めまい」と共に手足の麻痺、しびれ、しゃべりにくさ、転びやすさなどが出現した時
  7. これまで「めまい」でもらっていたお薬の効果がなくなってきた時

などです。

「めまい」は、耳鼻科、神経内科、脳神経外科などで診察を行っていますので、まずかかりつけの先生に相談されて、専門の病院にかかるかどうかを決めて下さい。


◎ 著者プロフィール
氏名:古谷 博和(フルヤ ヒロカズ)
所属:高知大学医学部 老年病・循環器・神経内科学 神経内科学部門
役職:教授

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