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コラム -医療情報提供-

眼のかゆみ

 目のかゆみは結膜炎によって引き起こされる症状の1つです。結膜炎とは、外部からの刺激によって結膜が炎症を起こした状態のことです。結膜とは、まぶたの裏側と白目の部分を覆っている粘膜のことです。結膜炎の原因は、アレルギー性のものと非アレルギー性のものに分けることができます。

 かゆみの原因としては、アレルギー性結膜炎が最も頻度が高いです。アレルギー性結膜炎は、外部からのアレルゲン(アレルギー反応を引き起こす物質)によって炎症が起こる症状です。目のかゆみのほかに、くしゃみや鼻水などの症状を伴うことが多いのが特徴です。
 代表的なアレルゲンは花粉です。春はスギ、ネズ・シラカバ・サワラ・クヌギ・イチョウ・マツなど、夏は、カモガヤ・オオアワガエリ・ガマ・イネなど、秋はブタクサ・ヨモギ・セイタカアワダチソウなど、冬はハンノキなどが挙げられます。その他に、ダニやカビ、ホコリなどのハウスダストも原因となります。

 アレルゲンが目に侵入すると、免疫に関わる細胞(肥満細胞など)が刺激を受けて、ヒスタミンという物質を放出します。ヒスタミンは目の知覚神経などを刺激して、目に強いかゆみを引き起こしたり、血管を広げて充血を引き起こしたりします。つまり、ヒスタミンの働きを抑えることで、かゆみの症状を和らげることができます。
 目がかゆいときは、かゆみを取り除く目薬を点眼してください。我慢できずに手でこすってしまうと目の表面を傷つけてしまいますので、注意しましょう。かゆみの原因となるヒスタミンの働きを抑えるのには、抗ヒスタミン作用をもつ点眼薬、くしゃみや鼻水などを伴うアレルギー性結膜炎の場合は、ヒスタミンの放出を抑える(メディエーター遊離抑制)作用をもつ点眼薬がお勧めです。

 非アレルギー性の代表は感染性結膜炎です。ウイルス性結膜炎、はやり目やプール熱などの、アデノウイルスなどウイルスが原因による結膜炎がありますが、これらは潜伏期間が長く、特効薬といえるものがないため治癒に日数がかかるのが特徴です。
 ほかに、細菌性結膜炎、クラミジアなどの様々な細菌が原因による結膜炎がありますが、原因の細菌に有効な抗生物質や抗菌剤などにより、ウイルス性結膜炎よりも治りは早いです。


◎ 著者プロフィール
氏名:福島 敦樹(フクシマ アツキ)
所属:高知大学医学部 眼科
役職:教授

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