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コラム -医療情報提供-

わが子を虫歯にしないために

 あなたは、自分の子供を虫歯にしないために、何か気をつけていることはありますか?

 現在は虫歯が少なくなっていると言われていますが、ゼロというわけではありません。
 高知県ではここ15年間で、虫歯のない3歳児の割合が60%位であったのが、80%まで改善され、一人当たりの虫歯数も1.74本からその半分に減少してきました。そこにはお母さんやお父さんが虫歯予防の重要性を認識して、むやみに甘いものを与えなくなったことや、歯磨きの習慣がしっかり身についてきたこと、さらにフッ素塗布やフッ素洗口などの予防処置が盛んに行われるようになったことが背景にあると考えられます。

 そもそも虫歯というのはミュータンス菌という原因菌が歯にくっつき、糖を分解してグルカンというネバネバした物質を産生します。グルカンは粘着力が強く、お口の中の他の菌も取り込み歯垢を作ります。
 この状態で砂糖を多く含む食品を摂取すると、歯垢の中の細菌がそれを分解して酸を産生し、この酸により歯が溶け虫歯になるのです。

 しかし生まれてすぐの赤ちゃんのお口の中にはミュータンス菌はいません。乳歯が生えてきてから、お母さんのお口の唾液を介してお子さんの口に感染することが多いのです。
 そのため、離乳食をお母さんがご自分の歯で噛み砕いて与えることやスプーンなどを一緒に使うことは控えましょう。また子供が生まれてから注意するだけでなく、妊娠中からお母さんのお口の中のミュータンス菌を減らすことも大切です。
 そのため定期的にメインテナンスで歯石除去を行い、常にお口の中を清潔な状態に保ち、また妊娠中のバランスの良い食事をとり子供の丈夫な歯を目指しましょう。
 その他にも砂糖を多く含み、歯にくっつきやすいお菓子やジュースもだらだら与えないように注意しましょう。

 また歯磨きも重要で、生後6.7か月頃の下の前歯が生え始めた頃から始めて下さい。歯磨き粉もフッ素入りのものを使用し、最低1日1回は歯磨きをしましょう。
 また子供が一人で上手に歯磨きができる小学校低学年まではしっかり仕上げ磨きもして下さい。

 市販されている歯磨き粉には90%フッ素が含まれています。
 フッ素は歯からカルシウムが溶け出すのを抑えて再石灰化を促進したり、菌の酸産生を抑制する効果があるので虫歯予防には効果的です。虫歯予防に使うフッ素は低濃度で、体への影響はありません。
 フッ素入り歯磨き粉・洗口液・歯科医院等で歯面塗布と歯磨きを併用することでむし歯をより効果的に予防できます。


◎ 著者プロフィール
氏名:寺尾 加代子(テラオ カヨコ)
所属:高知大学医学部附属病院 歯科口腔外科
役職:歯科衛生士

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