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コラム -医療情報提供-

内痔核に対する硬化療法について

 「痔核」は俗に「いぼ痔」といわれるもので、肛門内部の粘膜部分にできる痔核を「内痔核」、外側にできる痔核を「外痔核」と呼んでいます。

 痔の治療法の基本は、生活習慣の改善です。1日から2日に1回の普通便が出るようにコントロールすること、肛門周囲をあまり刺激せず清潔に保つこと、長時間同じ姿勢でいないことなどが大切です。
 生活習慣の改善だけで症状が改善しない場合には、薬による治療を行います。便の調子を整える飲み薬と肛門に直接使用して痛みや出血を抑える座薬や軟膏があります。飲み薬は便を軟らかくするマグネシウム製剤や腸内細菌を整える整腸剤などを使用します。
 生活習慣の改善と薬による治療でも出血がよくならない場合や、痔核が肛門の外に出る脱出を繰り返す場合には外科的治療が必要になります。外科治療には、様々な方法があり、痔核の大きさや重症度を考慮して、患者さんと主治医とがよく話し合って決めることになります。

 痔核に薬剤を注射し、線維化させて痔核を硬く縮める治療を硬化療法といいます。
 硬化療法は、痔核を切除する手術と比べて、治療後の痛みや出血が少ないことが特徴です。日本では、ジオンという注射剤を使用するALTA療法が、2005年に医療保険の適応となりました。
 ALTA療法は、生活習慣の改善と薬による保存的治療を行ってもよくならない、脱出する内痔核に効果があり、定められた講習会を受講した医師によって施行されます。これまで手術でしか治すことができなかった多くの内痔核が、この痛みの少ないALTA療法によって、治療できるようになりました。ただし、再発率については手術より高いとされています。

 ALTA療法は、皮膚に近い部分にできる外痔核には適していません。また、薬剤の特性上、妊娠中の方、14歳以下の方、透析治療を受けている方などはこの治療は受けられません。その他にも、注意が必要な場合がありますので、実際に治療を受ける場合は、医師とよく相談することが大切です。
 高知大学附属病院では、最短で2泊3日の入院によるALTA療法が可能です。まずは外来で現在の症状や痔核の状態について診察し、適切な治療方針について患者さんと話し合います。ALTA療法が適している場合には、治療の日程を相談します。
 退院後は、1週間後、2週間後、1か月後に診察させていただき、経過が良ければ治療終了となります。


◎ 著者プロフィール
氏名:志賀 舞(シガ マイ)
所属:高知大学医学部 外科(一)
役職:助教

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