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コラム -医療情報提供-

熱性けいれん

・「熱性けいれん」とは?
 38℃を越える発熱の際(多くは熱の上がりはじめから24時間以内)に、けいれんを起こすことを言います。生後10ヵ月~3歳頃の子どもさんに多く、全体の6-8%に発症します。 具体的な症状は、突然意識がなくなり、白目を向いて、身体をそらせるように硬くしたり、手足をガクガク震わせる状態になります。また、顔色がわるくなり、時に紫色になります。
 約90%のけいれんは5分以内に止まり、長くは続きません。反応がなく、体の色も悪くなりますが、心臓はしっかり動いており、ちゃんと脳に血液を送っているので10分くらい続いても熱性けいれん自体で後遺症を残すことはありません。
 熱性けいれんは3人に2人は生涯に1度だけですが、3人に1人のお子さんは2回、3回とくり返します。幸い、何度くりかえしても、また、10分程度の熱性けいれんを何回おこしても通常熱性けいれんであれば、後遺症などは残しません。

・注意点は?
 ①発熱時のけいれんがすべて熱性けいれんというわけではなく、脳炎・髄膜炎などの中枢神経の病気だったり、低血糖、低カルシウム血症などの他の病気が隠れていてけいれんを起こしていることもあります。熱性けいれんを何回も起こしている子どもさんでも、その都度、子どもさんの状態を気にしておく必要があります。
 ②けいれんが20分以上と長く続いたり、けいれん発作(具体的には手足の動きなど)に左右差があったり、意識障害(例えば、ボーとしてよだれをたらすなど)がみられた場合には、一般的な熱性けいれんと異なる経過なので、脳波検査やけいれんの予防を検討します。このタイプの中には、将来、無熱時にけいれんを起こす「てんかん」という病気が隠れていることがあります。

・お薬はありますか?
 発熱初期のみに使用する抗けいれん薬(座薬)と、毎日定期的に飲むタイプの薬がありますので、小児科医と相談して決めましょう。
 病院に着いたときには、大抵の場合けいれんは止まっているので、どんなけいれんだったか、ご家族からの情報が診断と治療に必要となります。どういった情報が必要かというと、
 ○けいれんはどのくらい続いたか?
 ○けいれんは、全身か半身か?
 ○目つきや顔色はどんな感じであったか?
などです。

 けいれんしている我が子をじっとみていることはつらいことですが、子どもさんのためにも様子を観察してください。携帯が近くにあれば、短時間、録画するのもいい方法だと思います。
 数分でけいれん発作が止まって、子どもさんが穏やかにしている場合は、気持ちを落ち着かせてから、自家用車やタクシーで病院に向かっても大丈夫です。

 ただし、
 ○10分以上けいれんが続く
 ○短くてもその日に何度もけいれんをくり返す
 ○けいれん前から元気なくぐったりしている
などの状態は、危険な状態を示していることが多いので、速やかに病院を受診してください。


◎ 著者プロフィール
氏名:玉城 渉(タマキ ワタル)
所属:高知大学医学部 周産母子センター
役職:助教

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