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コラム -医療情報提供-

第三の認知症「レビー小体型認知症」

 「レビー小体型認知症」はパーキンソン病の親戚筋にあたる病気です。日本人の認知症の原因としてはアルツハイマー病が最も多く、次に多発性脳梗塞による認知症が多いとされています。
 長年パーキンソン病に認知症は伴わないと考えられてきましたが、3番目の原因疾患として「レビー小体型認知症」や「認知症を伴うパーキンソン病」など、「パーキンソン病」に関係する認知症が多いことがわかってきました。 

 「パーキンソン病」は、体の動きが悪くなる、じっとしていると手が震える、筋肉が硬くなる、転倒しやすいなどの4つの症状が中心になっていて、L-ドーパーというお薬が良く効きます。
 パーキンソン病の症状が先に出現して、後から認知症が出てくるものが「認知症を伴うパーキンソン病」、認知症が出た後パーキンソン病の症状が出てくるのが「レビー小体型認知症」です。

 「レビー小体型認知症」の場合は軽いながらもパーキンソン病の症状のある人が多く、認知症の検査と同時に神経内科での診察が必要な場合もあります。
 最近ではMRI、脳血流SPECT、DATスキャン、心筋シンチグラフィーなどの画像診断を使うことで、かなり正確に「レビー小体型認知症」の診断を行えるようになりました。

 「レビー小体型認知症」では「アルツハイマー型認知症」とは違い、朝はしっかりしているのに夜は認知症がひどくなるなど、症状に大きな変動があることが特徴です。
 また手足の力はそれほど弱っていないのに転倒しやすくなる、寝ていて大声で叫んだりバタバタ暴れたりする睡眠障害の合併が多いことや、ありありとした幻覚を体験するなどの精神症状が多いといった特徴があります。

 「レビー小体型認知症」で見られる幻覚は、真っ暗な中でも鮮明に見える、幻覚自体は決してしゃべらない、触ったり音を立てたりすると「パッ」と消えてしまうといった特徴があり、「自分は幽霊を見た!」と思い込まれる方も多いようです。

 「レビー小体型認知症」の治療にはアルツハイマー病の治療薬と同じ薬を使い、パーキンソン病の症状に対してはパーキンソン病の治療薬を使います。
 ただ「レビー小体型認知症」では薬の副作用が出やすく、本来の目的と逆に働いたりすることも多いので、治療には時間がかかります。

 この疾患を疑われた場合は、物忘れ外来を受診されることをお勧めします。また外来を受診される時には、幻覚などの症状も遠慮せずはっきり述べていただく事が望ましいです。


◎ 著者プロフィール
氏名:古谷 博和(フルヤ ヒロカズ)
所属:高知大学医学部附属病院 神経内科
役職:教授

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