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コラム -医療情報提供-

視力・視野について

・視力について
 視力の定義は、物体の存在やその形状を認識する能力です。
 視力には、最小視認閾、最小分離閾、最小可読閾、副尺視力の4種類があります。普段、眼科で行っている視力検査は最小分離閾という閾値の測定が採用されています。これは、2点または2線を識別する閾値の事で、切れ目などを見分ける能力を言います。
 視力検査は、どこまで細かいものを識別できるかを知る、とても大切な検査です。視力だけで得られる情報は多く、視力が良好であれば角膜や水晶体、網膜、視神経、視覚中枢がある程度正常であることを意味します。また、視力が悪いと先程の経路のどこかに異常があることが予測できます。
 視力検査は大きく分けて、裸眼視力と矯正視力があります、裸眼視力はメガネやコンタクトレンズなどで遠視、近視、乱視を矯正せずに測定した視力です。一方、矯正視力は遠視、近視、乱視などの見え方のぼけをメガネやコンタクトなどで矯正して、網膜にピントがきちんとあっている状態で測定する視力です。眼科の臨床では、矯正視力が重要になってきます。裸眼視力は、体調や環境によって値が変動しますが、矯正視力は眼に問題がない場合は値がほとんど変動しません。そのため、矯正視力の値が下がっておれば、何かしら眼に病気があると推察することができます。


・視野について
 正常な視野の広さは、耳側で約100°、鼻側で約70°、上方で約60°、下方で約70°です。この範囲の中に暗点があるかを知ることも視野を知るうえで重要です。暗点は、絶対暗点と比較暗点の2種類があります。絶対暗点はまったく見えず、比較暗点は正常よりは見えにくい暗点の事です。
 視野の検査は、動的視野検査と静的視野検査の2種類あります。動的視野検査は、視野の広がりや欠損を検出することに優れています。また、静的視野検査は比較暗点の検出に優れています。これら2種類の検査を使い分けることで、様々な眼疾患の視野障害の程度を詳細に把握することができます。
 視野の異常をきたす代表的な眼疾患に緑内障があります。緑内障は、網膜の神経線維が欠損する病気で、神経線維が欠損すると視野が狭くなったり、暗点を生じたりします。緑内障になった場合、多くの方は早期に視野の異常を自覚しません。その理由は、早期の視野異常が鼻側と中心付近に生じるためです。この箇所は両眼で見たときに視野が重なるため、視野が欠けた箇所を両眼で補ってしまうからです。また、末期になるまで視力は良好な場合が多く、これも早期に自覚することが難しい一因でもあります。緑内障は、大規模な疫学調査において、40歳以上の20人に約1人が罹患している可能性があると言われています。そのため、40歳以上の方は、一度眼科へ受診して検査を受けられることをお勧めいたします。


◎ 著者プロフィール
氏名:米田 剛(ヨネダ ツヨシ)
所属:高知大学医学部 眼科
役職:視能訓練士

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