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コラム -医療情報提供-

小児気管支ぜん息の増悪因子とその対応の仕方

 ぜん息は、息をするときの空気の通り道が狭くなり、息が苦しくなる状態 (ぜん息発作)を繰り返す病気です。そのために眠れなかったり、学校などを休みがちになったり、運動が苦手になったりなど日常生活が障害されます。
 ときに死亡することもあるので、注意が必要です。

 ぜん息の治療薬には、予防薬と発作時薬があります。予防薬は、症状がなくても毎日飲んだり、吸入したりするお薬です。発作時薬は、症状があるときにのみ使用するお薬です。

 ぜん息発作を引き起こすものとしては、かぜなどの感染症、ダニ、動物などのフケ、カビ、ゴキブリ、たばこや花火などのけむり、激しい運動、大気汚染や気象の変化、ストレスなどがあります。
 これらの因子の中で、まずやらなければならないのは家族の禁煙です。目の前で吸わないようにしていても、吸わない家族からたばこの成分が検出されると言われています。

 次にダニ対策です。ダニの死骸や糞が主な原因になります。
 最も多く存在するのは寝具です。布団は、干すだけでなく掃除機がけをしなければ死骸や糞を取り去ることはできません。週に1回以上、1平方メートルを20秒かけて掃除することが勧められています。
 また、掃除をしやすい環境づくりとして、できるだけ家具を少なくしましょう。カーペットや布製のソファー、ぬいぐるみはダニが繁殖しやすいのでできるだけ取り除くことを勧めます。
 ダニは湿度が60%以上で繁殖しやすくなります。除湿機などで湿度管理を行いましょう。ダニ対策は非常に重要ですが、ダニを完全に家から追い出すことはできません。無理なく継続的に行える方法を考えましょう。

 また、毛の生えた動物は飼わないようにしてください。すでに飼っていたら、問題のないだれかに譲ってあげてください。
 難しければ、室内では飼育しない、定期的に洗う、本人は近寄らない、世話をしている家族は、衣類にフケなどが付着している可能性も考え室内に持ち込まないようにしてください。

 運動で誘発されるぜん息に対しては、運動を禁止する必要はなく、本人にあった運動を行い、少しずつ運動量を上げていく必要があります。

 最後にストレスに関しては、ストレスのない社会はなく、本人にストレスをかけないように配慮することは逆効果であり、ストレスがかかっても発作が起きないようにぜん息をコントロールしたり、適切にストレスを解消する方法を身に着けることが重要です。


◎ 著者プロフィール
氏名:大石 拓(オオイシ タク)
所属:高知大学医学部附属病院 小児科
役職:助教

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