前のページに戻る

コラム -医療情報提供-

スポーツによる膝の障害

 走る、ボールを蹴る、ジャンプなどのスポーツ動作において、膝関節には非常に大きな負荷がかかります。ここでは、膝の使い過ぎによるスポーツ障害と突発的な「ケガ」(外傷)について代表的な疾患をご紹介いたします。

 【膝のスポーツ障害】
 ① 膝の前が痛くなるもの
  ・膝蓋腱炎(ジャンパー膝):繰り返しジャンプをするバレーボール、バスケットボール、陸上などのスポーツでみられる。
  ・オスグッド病:成長期(特に小学校高学年から中学生)に特有の障害。ジャンパー膝と同様にジャンプやダッシュなどによって生じる。
 ② 膝の外側が痛くなるもの
  ・腸脛靭帯炎(ランナー膝):長距離を走るような陸上長距離選手、トライアスロン、自転車、登山などのスポーツでみられる。
 ③ 膝の内側が痛くなるもの
  ・鵞足炎(がそくえん):走りながら方向転換するような、サッカー、バスケットボール、陸上などのスポーツでみられる。

 使い過ぎによる膝のスポーツ障害の治療の原則は安静です。また、障害を起こしやすい要素を改善して再発予防に努めることも重要です。たとえば、からだの柔軟性が低下していたり、足の恰好が障害を起こしやすい形であったり、筋力が不十分であったり、あるいはボールの蹴り方や足の運び方が膝に負担がかかりやすい状態でプレーしていたりといったことです。

 【膝のスポーツ外傷「ケガ」】

  ・前十字靭帯損傷:ジャンプの着地に失敗したり、スキーで転倒したり、接触プレーで膝が変な方向を向いたりして受傷します。サッカー、バスケットボール、スキーなどのスポーツでよくみられます。「ぶちっ」という音がして、膝が外れた感じがします。数日は関節の腫れが強く、中には大量の血液が溜まっています。
  数週間すると日常生活に支障はなくなりますが、膝がぐらつくために、スポーツ活動に支障がでます。通常は手術を必要とします。手術は、損傷した靭帯を再びつくる再建術が標準的な方法です。
  術後の訓練は非常に重要で、元のスポーツ復帰を目標としたリハビリを段階的に行い、通常半年から1年目に復帰が可能になります。

  ・半月板損傷:膝には関節を安定化させ、かつ衝撃吸収作用をもつ半月板と呼ばれる軟骨があります。ケガによって半月板に損傷が起こると、痛みと腫れ、時に屈伸時に引っかかる感じがするようになります。治療としては、関節鏡を使った半月板縫合術、部分切除術などが行われます。


◎ 著者プロフィール
氏名:池内 昌彦(イケウチ マサヒコ)
所属:高知大学医学部 整形外科
役職:教授

「コラム -医療情報提供-」に戻る


診療科目一覧に戻る ページの最初に戻る