前のページに戻る

コラム -医療情報提供-

日常生活での転倒予防

 国民生活基礎調査によると、「転倒や転倒による骨折」は、介護が必要となった原因の第4位です。
 また、転倒や骨折などを引き起こす関節疾患も含めると第3位になるという調査結果からも、転倒を予防することが非常に重要であることが分かります。

 転倒の発生が起こる要因は、大きく身体機能の低下と生活環境の2つに分けることができます。

 身体機能の低下には、筋力低下、姿勢、バランス障害などが挙げられます。筋力低下が認められる場合、転倒する危険性は約5倍になるともいわれており、筋力を維持することが大切であることが分かります。
 さらに、転倒を予防するためには、「良い姿勢」でいることを心がけるのも重要になってきます。立った時に背中が丸くなる人や、体が反りにくい人ほど転倒が多くなるため、正しい姿勢を維持することも重要です。

 また、転倒の発生している場所では屋外の道、階段、部屋の中などが多いことも分かっています。特に、屋外や階段には大きな段差や道の傾斜などがあるため、転倒が起こりやすい環境が想像できると思います。
 一方、部屋の中で特に転倒しやすい場所は、部屋の境目、フローリング、廊下などが挙げられます。
 滑りやすいフローリングはもちろんですが、小さな段差でも転倒が発生する可能性があります。生活環境においては、特に注意しなければなりません。

 転倒予防のためには、筋力の維持・向上、正しい姿勢の保持をすることが大切です。特に重要な筋力は、膝を伸ばす力や股関節を開く力です。これらは、片足立ちなどバランス能力を高めるために非常に重要な筋肉であり、大腿四頭筋や中殿筋を鍛えるための運動を日常生活の中で行っていくことが重要となります。
 日常生活においては、胸を張る姿勢でいることを意識するように心がけてください。

 筋力をつけるには、日常生活で発揮している力より大きな負荷でトレーニングをしないといけません。しかし、高齢者が強い負荷のかかる運動をすることは危険です。弱い負荷で持続時間を伸ばしたり、反復回数を増やすなどの工夫が必要になります。
 運動量の目安は、5~10回を1setとして、1日3setを週3回程度行うのが好ましいです。前述したように、強い負荷を掛けすぎるのは良くないため、持続時間を少しでも伸ばすようにして運動するように心がけてほしいと思います。
 運動は、継続していくことが重要です。テレビを見たりしながらでいいので、楽しく運動を続けてください。


◎ 著者プロフィール
氏名:室伏 祐介(ムロフシ ユウスケ)
所属:高知大学医学部附属病院リハビリテーション部
役職:理学療法士

「コラム -医療情報提供-」に戻る


診療科目一覧に戻る ページの最初に戻る