前のページに戻る

よろず相談

50.睡眠時無呼吸症候群 治療法は(平成27年6月12日掲載)

質問
 昨年末、睡眠時無呼吸症候群と診断されました。睡眠1時間当たりの無呼吸指数は0.1、低呼吸指数は12.8でした。
 喉が小さいことと、のどちんこ(口蓋垂=こうがいすい)と舌の高低差がほとんどないことが原因のようです。歯科医にマウスピースを作ってもらいましたが、数値は変わりません。医師からは「あと5キロは減量しなさい」と言われています。このままでは大変不安です。いい医療機器や外科的手術などはありますか。(74歳女性)

回答

 ご質問の病気は「閉塞(へいそく)性睡眠時無呼吸症候群」といいます。気道(鼻孔から気管までの空気の通り道)に狭い所があり、睡眠中に10秒以上の無呼吸(息が止まる)や低呼吸(十分な息ができない)が1時間に5回以上あるものです。

 この病気に治療が必要な理由が二つあります。まず、無呼吸・低呼吸の回数が1時間に20回以上の方は、心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすいことが分かっています。それを防ぐため、呼吸を助けるCPAP(シーパップ)という医療機器を用いて治療します。夜間、鼻にマスクを装着し、一定の圧力を気道にかけて閉塞を防ぎます。無呼吸・低呼吸の回数が1時間に5~20回と少なめの方は、眠気で日中集中できない、あるいは会議や授業中に寝てしまうなど、社会生活に支障を来す場合に治療を行います。

 あいにく、CPAP治療は保険診療で認められていないので、気道が閉塞する場所と患者さんの希望を踏まえ、横向き寝、マウスピース、手術、禁煙、禁酒、ダイエットなどの治療からいくつか選択します。

 横向き寝は、布団を丸めて背中に置いたり、抱き枕や仰向けになるのを防ぐ装具を使います(購入する必要があります)。マウスピースは歯科の先生に作製していただきますが、下顎を前に出して、顎の関節に負担をかけない範囲で無呼吸をどこまで抑制できるかがキーになります。

 手術は鼻の中、鼻の奥、のどちんこ付近、扁桃(へんとう)腺、舌の後ろ側などを広げる治療ですが、患者さんによって狭い場所が異なり、手術方法も異なりますので、手術の効果と危険性を考えて選択します。禁煙、禁酒など生活習慣の見直しも大きな効果があります。喫煙を続けると、のどちんこやのどの粘膜が徐々に伸び、のどの中はますます狭くなりますし、飲酒は少量でも無呼吸症を起こす可能性があります。社会生活に支障がなければ、体重を減らし、ゆっくり治していくのもよいでしょう。

 このように無呼吸の原因や程度、患者さんの希望を踏まえて治療方針を組み立てていきます。


◎ 著者プロフィール
氏名:小森 正博(コモリ マサヒロ)
所属:高知大学医学部 耳鼻咽喉科
役職:講師

「よろず相談」に戻る


診療科目一覧に戻る ページの最初に戻る