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よろず相談

52.「におい玉」治療法は(平成27年7月10日掲載)

質問
 数年前から左の扁桃(へんとう)に「におい玉」が毎日のように付き、恥と苦痛を感じています。耳かきを消毒して取っていて、小さな穴ができています。最近では夜中目覚めた時や朝、喉の奥から出てきます。
 テレビ番組で「慢性扁桃炎の症状で、腎臓や全身の病気になる可能性がある」と知りました。このままの状態でいいのでしょうか。治療法を教えてください。(64歳女性)

回答

 口を「アー」と開けると、喉の奥、左右の脇に見える口蓋(こうがい)扁桃(いわゆる扁桃腺)は、外からの異物、細菌、ウイルスなどの侵入を防ぐリンパ組織です。口蓋扁桃にはくぼみがあり、炎症があると、そのくぼみに細菌の死骸などがたまりやすくなります。この貯留物が「におい玉」(膿栓=のうせん)と呼ばれます。

 におい玉があるのは扁桃に炎症があるためですが、特に症状がなければ治療の必要はありません。におい玉のために喉に異物感や異常感がある場合は、取り除くことがあります。耳鼻咽喉科では、圧迫して押し出す、吸引やピンセットで取り除く、薄めた食塩水で洗い出すといった処置を行います。

 口蓋扁桃を取り除く手術を行うこともあります。におい玉が出る、出ないに関わらず、次のような場合です。
 ① 扁桃炎による発熱や喉の痛みで食事ができない、仕事や学校に行けないなど、社会的に困る状況が年に数回以上生じる場合。
 ② 扁桃炎が原因となって腎臓が侵され、尿にタンパクや血が混じる病気(IgA腎症)や、手のひらや足の裏の皮がむける病気(掌蹠膿疱症=しょうせきのうほうしょう)など全身の病気が生じる場合。
 ①、②以外に、口蓋扁桃肥大によるいびき、無呼吸の場合も手術を行います。
 腎臓の病気は尿や血液の検査で見つかることが多いため、毎年健康診断を受けることが重要です。皮膚の病気が疑わしい時には、皮膚科を受診されるのがよいと思います。

 相談者によると、テレビ番組では「口で呼吸しない」「口輪筋(口を閉じる筋肉)を鍛える」という予防法を紹介していたそうです。口呼吸が続くと、細菌などが直接扁桃に接触する機会が増えます。口輪筋を鍛えて口が無意識に開いたままにならないようにしたり、鼻詰まりが生じた時には放置しないで早めに治療を受けることも重要です。また、そのような意味でも、うがいもお勧めです。


◎ 著者プロフィール
氏名:松本 宗一(マツモト シュウイチ)
所属:高知大学医学部 耳鼻咽喉科
役職:助教

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