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よろず相談

57.向こうずねがジンジン(平成27年9月18日掲載)

質問
 2か月ほど前から時々、特に運動したわけでもないのに向こうずねが時々ジンジン痛みます。痛みが出るのは座っているときや歩いているとき、寝ているときなどまちまちです。整形外科でエックス線撮影もしましたが原因は分からず、血流をよくする薬と末梢神経障害を改善する薬を処方されました。1か月たっても症状は変わらず不安です。(48歳女性)

回答

 安静にしているときや歩いたときに向こうずねがジンジンと痛む症状が見られることから、第一に「腰部脊柱管狭窄症」が考えられます。脳と手足をつなぐ神経の束である脊髄が通る背骨の中の通り道を脊柱管といい、それが腰の部分でせまくなる病気です。
 腰の骨は、前後左右に大きく動き、体重の何倍もの負荷がかかるため、脊柱管の周囲にある靭帯や関節、椎間板の変形など、加齢による変化が起こりやすい部位です。加齢による変化で脊柱管が狭くなると脊髄神経が圧迫され 、脚のいたみやしびれ、腰の痛みなどの症状が現れます。
 狭窄が強くなると尿漏れや失禁といった膀胱や直腸の障害もでてきます。

 ご質問いただいた方は単純エックス線写真では原因が分からなかったようなので、磁気共鳴画像装置(MRI)検査をお勧めします。
 単純エックス線写真でもある程度は推測できますが、脊柱管の狭窄や脊髄神経の圧迫の程度はMRI検査をしなければ分かりません。また、下肢の動脈が詰まって血行障害を生じたときにも脚の痛みとしびれが起こりますので、原因を正確に調べることが大切です。

写真

 腰部脊柱管狭窄症の治療では、神経の周囲の血管を拡張させる飲み薬、脚の痛みやしびれが強ければ神経痛の薬、消炎鎮痛剤を使って症状の改善を図ります。補助的にビタミン剤を併用することもあります。
 脊髄神経の圧迫が強く、飲み薬などで症状が改善しない場合には、脊柱管を広げる手術が必要になる場合もあります。
 ご質問いただいた方は、神経周囲の血管を拡張させる飲み薬とビタミン剤を処方されているのだと思います。1か月経過しても、向こうずねの痛みがよくならないということですので、MRI検査を受け、脊柱管狭窄による脊髄神経の圧迫の程度を詳しく調べてみるのがよいかと思われます。
 まずは、診断と治療方針を担当の整形外科医師にご相談ください。


◎ 著者プロフィール
氏名:阿漕 孝治(アソウ コウジ)
所属:高知大学医学部 整形外科
役職:医員

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