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よろず相談

58.黄斑上膜 放置したら?(平成27年10月2日掲載)

質問
 数年前から左目の視力が落ち、半年前くらいからは物がゆがんで見えるようになりました。医療機関で黄斑上膜と診断され、手術するよう言われましたが、術後1週間必要とされるうつぶせ安静が耐えられそうにありません。できるだけ手術を回避したいのですが、放置するとどうなるのでしょうか?失明するのではないかと心配です。(75歳女性)

回答

 眼球の中には網膜と呼ばれる、物を見るために大切な膜があります。その網膜の中心にあるのが黄斑です。視力にとって非常に大事な部分であり、この黄斑に障害が起きると視力が低下してしまいます。
 黄斑上膜は、その黄斑の上(表面)に病気の膜が張ってしまうことにより、視力低下やゆがんだ見え方を生じてしまう病気です。高齢者には比較的多い病気ですが、自覚症状のない方も多くいます。

 一般的には、視力低下が進行してくる場合や物がゆがんで見える場合には手術を行います。硝子体手術と呼ばれる手術で、眼球の中に細い器械を入れて、硝子体(眼球の中身)と病気の膜を取り除きます。
 手術後も多少ゆがみは残ってしまいますが、進行を予防するためには手術以外の治療法はありません。

写真

 手術の際に網膜剥離(はくり)などの異常を認めた場合には、手術の最後に眼球の中にガスを注入します。その場合は手術後数日から約1週間のうつぶせ安静が必要となりますが、多くの場合、うつぶせ安静は特に必要ありません。
 またうつぶせ安静の間、食事やトイレなど身の回りのことは通常の生活通りで問題ありません。

 黄斑上膜では視力低下の程度は人によって様々です。もし治療を行わずに放置した場合でも、視力が0.1以下になることはまれで、失明する事はありません。しかし視力が極端に下がってしまってから手術をしても、視力が改善しにくくなってしまいますので、治療するのであれば比較的早めの手術を勧めます。
 視力やゆがみの程度、現在の年齢などを考慮した上で手術の適応は変わりますので、担当医と相談して治療の方針を決めていくのが良いと思います。


◎ 著者プロフィール
氏名:西内 貴史(ニシウチ タカシ)
所属:高知大学医学部 眼科
役職:助教

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