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よろず相談

60.せきが止まらない(平成27年10月30日掲載)

質問
 12年前に肺抗酸菌症と診断され、1年半ほど薬物治療を受けました。薬の副作用もあって思うように治療できず、3カ月ごとに経過観察、特に変わりありませんでした。今年4月に肺炎になり、1週間ほどでよくなりましたが、しばらくしてせきが出るようになり、せき止めやたんの切れをよくする薬を処方されましたが、よくなりません。毎朝起きて動きだすと30~40分くらい、せきがひどく、透明な、塩辛い感じのたんも出ます。(66歳女性)

回答

 せきは呼吸器の病気でしばしばみられる症状ですが、原因はいろいろです。たんのからむせきを湿性咳嗽(しっせいがいそう)、たんのからまないせきを乾性咳嗽(かんせいがいそう)と呼び、ご質問の方の症状は、おそらく湿性咳嗽と思われます。

 原因としてはウイルス、細菌などの感染が多いのですが、感染が収まった後も1カ月近くせきが続くこともあります。感染に伴うせきに対しては、鎮咳薬(せき止め薬)などを使う対症療法が中心で、ほとんどは徐々に収まってきます。長期に続く場合は、慢性の副鼻腔(びくう)炎(蓄膿(ちくのう)症など)や気管支拡張症、タバコなどによる慢性の気管支炎が考えられます。

 ご質問の方は肺抗酸菌症として通院されているとのことですが、この病気は根治が難しく、長い期間かけてゆっくりと進む病気です。症状が軽く、レントゲン写真で見られる所見がほとんど変化ない場合は、そのまま経過を見ることも少なくありません。

 慢性的な感染が起こると、気道(気管や気管支など空気の通り道)が傷つき、気管支が広がります。このような気管支拡張変化が慢性のせき、たんの原因となり、肺炎などの感染を契機に症状が悪化することがあります。
 また、抗酸菌による感染が悪化した際にも、せきやたん症状が出ることがあります。症状が続くようでしたら、たんの検査やレントゲン検査で病状を確認する必要があると思います。

 たんがひどくない慢性のせきの場合は、
・アレルギー性の咳嗽
・せきぜんそく(ヒューヒュー、ゼイゼイといった喘鳴(ぜんめい)を伴わず、せきを主体とするぜんそくの仲間)
・胃食道逆流症に伴うもの
・薬の副作用によるせき などが考えられます。
 現在の治療で症状が改善しない場合は、このような疾患も念頭に治療していく必要があると思います。
 担当の医師に一度ご相談されてみてはいかがでしょうか。


◎ 著者プロフィール
氏名:秋田 慎(アキタ シン)
所属:高知大学医学部 血液・呼吸器内科
役職:助教

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